ニュース
» 2020年09月03日 19時00分 公開

いつでもどこでも快適なモバイル環境を インテルが「第11世代Coreプロセッサ」と「Intel Evo Platform」の詳細を説明 (1/2)

Tiger Lakeこと「第11世代Coreプロセッサ」の登場に合わせて、インテルが同プロセッサに関する説明会を開催した。どのようなメリットがあるのだろうか。【追記】

[井上翔,ITmedia]

 既報の通り、Intelは9月2日(米国太平洋夏時間)に第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)の製品ラインアップを発表した。合わせて、同社のPC認証プログラム「Project Athena(プロジェクトアテネ)」について、同プロセッサ向けのプログラムを「Intel Evo Platform」としてブランド化することも発表した。

 同社の日本法人であるインテルは9月3日、四半期ごとに開催している事業説明会において、第11世代CoreプロセッサとIntel Evo Platformの詳細を改めて説明した。

【追記:9月4日12時10分】記事の正確性を高めるための追記を実施しました

新プロセッサの概要 第11世代Coreプロセッサの概要

第11世代Coreプロセッサの改善ポイント

 第11世代Coreプロセッサは、CPUやGPUのみならず、ニューラルアクセラレータ(機械学習/推論処理用チップ)、PCI Express 4.0(PCIe Gen 4)やThunderbolt 4(USB4)をワンチップに統合した「PCのパフォーマンスを最大限引き出すプロセッサ」(インテル 井田晶也執行役員)という位置付けだ。

 CPUコアは第10世代Coreプロセッサ(開発コード名:Ice Lake)のCPUコア「Sunny Cove」をベースに改良を施した「Willow Cove」が採用されている。

 まず、実行(演算)ユニット(EU)とキャッシュメモリを改良することでクロック(周波数)当たりの実行可能な命令数を増やした。さらに、半導体設計に「SuperFinテクノロジー」に基づく改善を加えることで、最大稼働クロックを約900MHz引き上げた。

 これらの改良により、Ice Lakeと比較すると同じクロック数ならより省電力となり、同じ消費電力ならより高い処理能力を発揮できるようになったという。

Willow Coveコアの特徴 Tiger LakeのCPUコア「Willow Cove」の特徴
設計改良設計改良 トランジスターのゲートなどを改良することで、最高稼働クロックを引き上げることに成功
ダイナミックレンジ拡大 各種改良により、命令の処理効率の改善と省電力性の向上、最高稼働クロックの引き上げを実現した

 GPUコアはIntelが開発を進めてきた「Xe(エックスイー)アーキテクチャ」に基づく「Intel Iris Xe Graphics」(Core i5/i7)または「Intel UHD Graphics」(Core i3)を搭載している(開発コード名:Xe-LE)。

 CPUコアと同様に、このGPUコアも10nmプロセスとSuperFinテクノロジーを適用し、消費電力当たりの性能を向上している。加えて、EU自体の数を最大96基まで増やし、メモリの帯域を約2倍に広げたことで、エントリークラスの外部GPU(dGPU)並みのグラフィックスパフォーマンスを実現したという。

Iris Xeの概要 Iris Xe Graphicsの概要。Ice Lake(一部を除く)に搭載されていた「Iris Plus Graphics」から改良を加えている。なお、Core i3に搭載されているUHD Graphicsも基本設計はIris Xe Graphicsと同じだ
Iris Xeの概要 Iris Xe GraphicsとIris Plus Graphicsの比較

 Ice Lakeにおいて、IntelはPC向けCPUとしては初めてニューラルアクセラレーター「Intel GNA(Gaussian & Neural Accelerator)」を搭載した。これにより、専用命令セットを利用するアプリでは、AI(人工知能)に関する処理を高速に実行できるようなった。

 Tiger LakeではGNAが「バージョン2.0」にアップグレードされ、電力消費の効率化が図られた。また、CPUコアとGPUコアにもINT8演算を高速化する仕組みが取り入れたことで、プロセッサ全体でAI処理を高速化できるようになった。

機械学習パワーアップ ニューラルアクセラレーターを改良した上で、推論に必要な演算を高速化する仕組みをCPUコアやGPUコアにも搭載した。これらの取り組みにより、AI処理における他社(AMD)に対する優位性を訴求する

 この他、Tiger Lakeでは動画や静止画の処理を行う「IPU(Imaging Processing Unit)」を完全なハードウェア実装とし、動画では4K/90fps、静止画では4200万画素まで(※)ハードウェア処理できるようになった。

(※)初期段階では、動画は4K/30fps、静止画は2700万画素まで

 さらに、Tiger Lakeは、モバイルPC向けCPUとしては初めて「PCI Express 4.0(PCIe Gen 4)」に対応している。CPU直結レーンは最大で4つあり、高速なSSDや外部GPUの接続に利用できる。CPUと組み合わせるI/Oインタフェース「PCH(Platform Controller Hub)」経由で提供した場合と比較して、レイテンシー(遅延)を最大で100ミリ秒改善できるという。

 PCH自体にも改良が加えられ、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)Gig+の通信機能や、内蔵パネルのタッチ操作やペン操作をつかさどる「THC(Touch Host Controller)」も統合している。

PCH Tiger Lake用のPCHプロセッサには、Wi-Fi 6 Gig+を統合している
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう