ソフトバンクグループが英Armの全株式を米NVIDIAに最大400億ドルで売却へ 取引完了まで18カ月かかる見通し

» 2020年09月14日 09時55分 公開
[井上翔ITmedia]

 ソフトバンクグループ(SBG)は9月14日、同社がソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)およびSoftBank Group Capitalを通して保有しているイギリスArm Limitedの株式の全数を米NVIDIAに売却する契約を締結したことを発表した。株式の最大取引価値は400億ドル(約4.2兆円)で、売却は規制当局の承認など必要な手続きを全て満たすことを条件に行われる。取引の完了までには約18カ月かかる見通しだ。

リリース SBGのニュースリリース(PDF形式)の一部

 SBGは2016年9月、Armを310億ドル(当時の為替レートで約3.3兆円)で買収した。

 この買収によってArmは上場廃止となった。しかし、2018年6月に行われたSBGの定時株主総会において、同社の孫正義社長がArmの株式を「5年前後ぐらいでもう一度再上場する」という方針を明らかにしていた。

孫社長 2016年7月にArmを買収することを発表した際の孫社長(オンライン会見の映像より)
孫社長 2018年の定時株主総会でArmの再上場に言及した際の孫社長(会場別室のモニタールームからの配信映像より)

 今回SBGは、当初予定していたArm単独での再上場計画と、NVIDIAへの売却を検討した結果、後者の方が「Armの潜在的な可能性をより実現でき、当社の株主価値の向上に資すると判断」したという。

 SBGはNVIDIAの主要株主の1社でもある。株式売却後もNVIDIAを介してArmとの関係を継続する方針だ。

 なお、ArmのISG(Internet-of-Things Services Group)は売却の対象外となっている。売却完了までに、ISGはArmから分離される予定だ。

直近の業績 直近のSBGの連結業績と「アーム事業」(Armとその関連会社の事業)セグメントの状況。売却完了まで、アーム事業は「継続事業」として取り扱われる

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