Tiger Lakeの実力やいかに? Intelの「リファレンスマシン」でチェックしてみた(1/3 ページ)

» 2020年10月12日 12時00分 公開

 この秋、Intelの新型CPU「第11世代Coreプロセッサ」(開発コード名:Tiger Lake)を搭載する製品が順次登場する。

 Tiger Lakeは、前世代のCoreプロセッサ(開発コード名:Ice Lake)と比べて、CPUのパフォーマンスは20%以上改善し、グラフィックスパフォーマンスは最大で2倍、AI(人工知能)の処理パフォーマンスは最大で5倍に向上しているという。ただ、TDP(熱設計電力)をメーカー側である程度調整できることから、同じCPUでもモデルの設計思想によってはある程度の性能差が生じうる(参考記事)。

 当のIntelは、Tiger Lakeをどのように“調理”したのか。同社が用意した「リファレンスマシン」を通して、その意図をくんでみようと思う。

プリプロダクション機 第11世代Coreプロセッサ(Tiger Lake)のリファレンスマシン

リファレンスマシンの概要

 このリファレンスマシンは台湾MSIが製造したものである。ボディーやUEFI(ファームウェア)のブートスクリーンには「Intel」の旧ロゴが刻印されてはいるが、ボディーデザインやキーボードの配列を見ると「確かにMSIだ」と確認できるデザインを備えている。見た目的には、クリエイター向けノートPC「Prestige 14」に近い。

 ただし、このリファレンスマシンは、あくまでもTiger Lakeの性能を確かめるために製造されたものなので、市販の予定はないという。

天板 天板には、先代のIntelロゴが印字されている。UEFIのブートスクリーンにも先代ロゴが表示される
キーボード キーボードやタッチパッドのデザインを見ると、MSIらしさを感じる。タッチパッドの左上には指紋センサーを備えている

 主なスペックは以下の通りだ。

  • CPU:Core i7-1185G7(1.2GHz〜4.8GHz、4コア8スレッド、12MBキャッシュ)
  • メインメモリ:32GB LPDDR4x
  • ストレージ:1TB SSD(NVMe)
  • ディスプレイ:タッチ操作対応フルHD(1920×1080ピクセル)液晶
  • グラフィックス(GPU):Intel Iris Xe Graphics
  • OS:Windows 10 Pro(64bit)

 Core i7-1185G7は、現状(10月9日現在)におけるTiger Lakeの最上位CPUだ。従来のcTDP(設定可能な熱設計電力)に相当する「オペレーティングレンジ(動作範囲)」は12〜28Wとなっている。今回のリファレンスマシンでは、Windows 10のパワーモードを切り替えると以下のようにオペレーティングレンジを変更できるようになっている。

  • 最大のバッテリー残量:15W
  • 高パフォーマンス:28W
  • 最も高いパフォーマンス:28W(「Intel Dynamic Tuning Technology」適用)
4コア8スレッド リファレンスマシンはCore i7-1185G7を搭載。4コア8スレッドで、CPUIDベースの基本稼働クロックは3GHzとなっているようだ
電源設定 このリファレンスマシンでは、電源設定の変更でオペレーティングレンジを設定できるようになっている

 ポート類は、左側面にThunderbolt 4(USB4)端子を2基備えるのみ。3.5mmイヤフォンマイクジャックなど、その他の端子類は一切備えていない。両端子共に、USB Power Delivery(USB PD)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応する。

 Intelとしては、今後はThunderbolt 4端子で全てを賄えると考えているのかもしれない(参考記事)。

左側面 左側面にはThunderbolt 4端子が2基ある。ポート類はこれだけだ
右側面 右側面
背面 背面
裏面 裏面
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月19日 更新
  1. バッファロー製Wi-Fiルーターに脆弱性 対象機種は今すぐファームウェア更新を (2024年04月17日)
  2. ノートPCに外付けキーボードを“載せて”使える「タイプスティックス/打ち箸」に新色 (2024年04月18日)
  3. ついに8K対応した「Insta360 X4」の画質をX3と1インチ360度版で比較 今買うべき全天球カメラだと確信した (2024年04月16日)
  4. さらなる高速化を実現! PCI Express 5.0接続SSDの新モデル「Crucial T705」を試して分かったこと (2024年04月18日)
  5. SwitchBotのミニプラグに不具合 「断続的にオン/オフを繰り返す、異音」などで該当製品の交換を呼びかけ (2024年04月17日)
  6. アイロボットが4万円切りの「水拭き対応ロボット掃除機」を投入 “一家に1台”を目指す (2024年04月17日)
  7. 無線LANルーター「Aterm」シリーズの一部に複数の脆弱性 設定変更や買い替えをアナウンス (2024年04月11日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. 「JBL GO 4」でBluetoothスピーカーデビュー! 累計出荷台数5700万台を突破した人気製品の最新モデルを試す (2024年04月17日)
  10. NVIDIA、Ampereアーキテクチャを採用したシングルスロット設計のデスクトップ向けGPU「NVIDIA RTX A400/A1000」を発表 (2024年04月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー