ここからは、ProBook x360 435 G7のパフォーマンスをベンチマークテストを通してチェックしていこう。今回は、Ryzen 5 4500Uの上位APUであるRyzen 7 4700U(2G〜4.7GHz、8コア8スレッド)を搭載するASUS製2in1 PC「VivoBook Flip 14」、Core i5-8250U(1.6G〜3.4GHz、4コア8スレッド)を搭載したレノボのノートPC「ThinkPad T480s」のスコアも掲載する。
まず「CINEBENCH R20」を使ってCPUの性能をチェックした。
ProBook x360 435 G7のマルチスコアは「2298」だった。6コアCPUならではのスコアが出ている。そして、このスコアは4コア8スレッドのCore i5-8250Uの約1.9倍である。
Ryzen 5とCore i5はミドルクラスのCPUだが、2年半前の製品からの大きな進化に驚くばかりである。
PCの総合性能をチェックする「PCMark 10」でも、やはり旧世代からの進化は顕著である。
日常使いの快適さをチェックする「Essentials」、オフィスアプリのパフォーマンスを計測する「Productivity」、クリエイティブの性能を確認する「Digital Content Creation」と、全ての項目でProBook x360 435 G7のスコアはThinkPad T480sよりも大幅に向上している。
バッテリー駆動時間をテストする「Modern Office Battery Life」では、13時間59分(ディスプレイ輝度50%)と公称値からわずかに少ないものの、十分な駆動時間をマークした。
続いて、3Dグラフィックスの性能をチェックする「3DMark」を実行してみた。
結果はCore i5-8250Uを搭載するThinkPad T480sを圧倒していることは当然として、上位APUであるRyzen 7 4700Uを搭載するVivoBook Flip 14をも上回っている。
CINEBENCH R20の結果を見る限り、VivoBook Flip 14は順当なパフォーマンスを発揮していることから、放熱設計の違いでスコア差が生じることは考えにくい。ProBook x360 435 G7のベンチマークテストは、VivoBook Flipのテストから1カ月以上経過してから行ったことを踏まえると、グラフィックスドライバーなどの最適化や、CPUのパフォーマンス制御の違いなどが影響していると思われる。
静音性も優秀な部類で、高負荷時でもあまり大きな音がしない。高負荷時にはキーボードの奥側が少し熱くなるものの、手が多く触れるパームレストは低く保たれていた。
合わせて、実ゲームベースのベンチマークテストとして「FINAL FANTASY XIV:漆黒のヴィランズベンチマーク(FF14ベンチマーク)」も実行した。スコアの傾向は3DMarkの結果と同様で、CPUに統合されたGPUとしては良好だ。
このテストの終了間際には、スマートフォンに接続して利用する赤外線カメラ「FLIR ONE」を使ってサーモグラフィーを撮影した。一番温度が上昇したのはキーボードの中央付近で、約43度となった。熱はキーボードやボディーを介してしっかり放熱されている印象だ。
ここまでHP ProBook x360 435 G7を検証してきたが、性能、機能、使い勝手、いずれも及第点以上で、欠点らしい欠点も見当たらない、とても良くできた製品だ。Ryzen 5 4500Uが持つ高いパフォーマンスと長時間のバッテリー駆動時間をしっかり両立している。
sRGBの色域を100%カバーする400ニトの液晶ディスプレイ、充電と映像出力に対応するUSB Type-C端子、プライバシーシャッター付きの顔認証対応Webカメラ、指紋センサー、マイクのノイズ除去機能……とテレワークを始めとするさまざまな用途でスマートに使いこなすための装備もバッチリ備えている。タッチやペンでの操作もできるので、オンライン授業との相性も良いだろう。
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テレワーク環境を強化したい人、ワンランク上の体験ができる教育向けPCを探している人は、ぜひ検討してみてほしい。
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