「パソコン飛躍の年」2020年を2つのテクノロジーと振り返る本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)

» 2020年12月30日 14時00分 公開
[本田雅一ITmedia]
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次のApple Mプロセッサに注目すべき理由

 一方でAppleも、現在の延長線上に次のMacを想像することはできない。

 というのも、M1の弱点として、電力消費を許容しても処理能力の上限はあまり高くならないことが挙げられるからだ。M1のスペックは1つだけであるため、基本的に設計値としての上限・下限を乗り越えたパソコンは作れない。

 そしてM1の想定する電力は極めて低く、バッテリー消費や発熱という面では大きな優位性を発揮しているとはいえ、もう少し上の性能を狙ったSoCがあってもいいのではないか、という疑念が生まれてくる。

 そもそも、Appleはモバイルコンピュータだけではなく、プロのクリエイターが求める高性能のデスクトップなどをラインアップしている。それらの扱いを考えるならば、現在、Intel CPUを搭載している「Mac Pro」や「iMac Pro」よりも同等か、それ以上の性能を発揮し、GPUに関しても自由度が高い選択肢が求められる。

Mac Macの製品ラインアップはまだIntel CPU搭載モデルが多い。高性能なデスクトップである「Mac Pro」や「iMac Pro」のApple Mプロセッサをどうするのか、Appleからのアナウンスはない

 設計能力と生産能力は高いだけに、Intelがこの後、どんな戦略を持っているのか。やや妄想が入るかもしれないが、今後の展開に関しては年明けのコラムに譲ることにしたい。

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