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バッファローのスティックSSD「SSD-PUTA」を試して分かったこと見た目はUSBメモリながら読み書きともに爆速!?(2/2 ページ)

» 2021年01月21日 11時30分 公開
[山口真弘ITmedia]
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USBメモリやポータブルHDDの約3〜4倍以上の速度を実現

 もっとも多くの場合、こういったPC側からの認識のされ方は、特定の用途で使われる場合を除けば、あまり意識されないことが多いだろう。本製品とUSBメモリの最大の相違点は、その「速度」にあるといっていい。

 本製品、USBメモリ、さらにポータブルHDDを用意し、定番のディスクベンチマークソフト「CrystalDiskMark」を使って速度をチェックしたが、以下のように速度の差は一目瞭然だ。読み出しだけでなく書き込みが高速なのも特徴だろう。

SSD-PUT1.0U3-BKA テストに用いたのはいずれもバッファロー製で、USBメモリはUSB 3.0対応の「RUF3-C16GA-BL」(中央)、ポータブルHDDはUSB 3.1(Gen1)対応の「HD-PCG1.0U3-BBA」(右)だ。PCはレノボ・ジャパンのThinkPad X1 Carbon(2019)を使用している
SSD-PUT1.0U3-BKA 本製品。シーケンシャル読み出しは毎秒400MB台前半で、書き込みもほぼ同等の速さだ
SSD-PUT1.0U3-BKA こちらはUSBメモリ。シーケンシャル読み出しは毎秒100MBちょっとで、書き込みは3分の1程度に低下する
SSD-PUT1.0U3-BKA ポータブルHDDのスコア。シーケンシャル読み出しは毎秒100MB強でUSBメモリと同等だ。書き込みもほぼ同じとなる

 今回の評価機に限れば、読み出し速度はUSBメモリ/ポータブルHDDの約3〜4倍、書き込みはそれ以上、ということになる。こういった特徴を考慮すると、少しでも速く読み出すことが求められる用途、例えばゲームなどでは本製品を使う価値は高い。また大容量のデータをやりとりする際、書き込みにかかる時間が少なく済むのは利点だろう。

 参考までに、PC内蔵の256GB SSD(NVMe SSD/Western Digital SN720)とも比較したが、こちらはさすがに分が悪い。かたや内蔵のNVMe SSD、かたやUSB 3.2(Gen 1)ということで、戦う相手が間違っている印象だ。USB接続の中では最速クラスであっても「内蔵SSD並み」という表現は正しくないことが分かる。

SSD-PUT1.0U3-BKA PC内蔵のSSDとの比較。シーケンシャル読み出しは毎秒3000MB台ちょっと、書き込みはその半分程度で、さすがに本製品とは比較にならない

特徴を知って正しく製品を選びたい

 速度にばかり目が行きがちだが、コンパクトなボディーサイズと大容量を両立しているのも、本製品の大きな特徴だ。

 USBメモリの場合、128GBまではラインアップは豊富だが、256GBともなると製品数はガクンと減り、512GB以上ともなると製品は数えるほどしかない。その点、本製品はほぼUSBメモリと同じボディーサイズながら、250GB/500GB/1TBという3モデルが用意されている。このサイズでテラバイト級までカバーしているのは魅力だ。

 USBメモリはデータの書き込みに相当な時間がかかるため、いったん書き込んだデータはついついそのままにしておきがちで、盗難や紛失時に(特に大容量モデルは)大事故に繋がりやすい。書き込みが高速な本製品ならば、毎回全データを削除し、次に使う時にあらためて書き込む運用も実用的だ。オフィスで共用する場合には特に便利だろう。

 一方でネックになるのは価格だ。最小容量である250GBモデルは実売5千円台、今回試用した1TBモデルだと実売1万円台前半だ。100GB以下であれば実売千円を切りかねないUSBメモリと比べ、購入には一定の予算が必要になる。

 USBメモリも1TBモデルともなると実売1万円を超えるので、そうなると高速なぶん本製品が有利だが、速度や動作音、ボディーサイズを気にせず容量だけに固執するのであれば、今回試用している1TBのポータブルHDDなどは、ざっと半分程度のコストで入手できる。

 これら各製品の特性をまとめたのが以下の表だ。「ポータブルHDDでも耐衝撃性能を重視した製品はたくさんある」とか「USBメモリも大容量のモデルは高価だ」とかツッコミはあるかもしれないが、平均的に見ればこの表の内容で概ね正しいはずだ。

SSD-PUT1.0U3-BKA スティックSSDとUSBメモリ、ポータブルHDDの一般的な特徴を比較した。この表にはないが、動作音や発熱の有無についても、本製品は有利だ

 こうして見ると、本製品がもっとも多く二重丸がつくことになるが、重きを置くポイントが利用目的によって異なる以上、いかなる場合も本製品が有利というわけではない。現状ではそれぞれの製品が互いのウィークポイントをうまくカバーする格好になっているので、これらを踏まえて適した製品を選ぶのが、ユーザーの賢いあり方だろう。

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