それでは、本製品のパフォーマンスをベンチマークで確認していこう。ただし、評価機はメモリが1枚しか搭載されておらず、これではIris Xe Graphicsの性能が引き出せない。今やメモリの増設は2枚単位のデュアルチャネルが一般常識になっているので、実際に同じ製品を手にした際の性能も異なるだろう。そこでアクセスタイミングが全く同じDDR4-3200 SO-DIMM 8GB×2枚を用意した。その性能差を先に提示しておこう。
PCMark 10 ExtendedではOverallで443ポイントの差が出ている。個別のテストで見るとほとんど大差ないものもあるが、それは主にCPUを利用するテストだ。現在のコンピューティングでは、一見CPU処理(ここはCINEBENCH R23が示す通り差が出にくい)がメインに見えてもGPUを利用するものが多い。PCMark 10ではホーム用途のEsssentials、ビジネス用途のProductivity、クリエイティブ用途のDigital Content Creation、そしてゲームという4つのシナリオでは、全てデュアルチャネル時の方が高スコアだ。
特にゲームではPCMark 10のシナリオ自体が1.3〜1.4倍の差だが、実際のゲームでも概ねこれに近い性能差が出ている。よほどの理由がない限り、NUCではデュアルチャネル構成で組みたい。
以降は、デュアルチャネル時の計測値を中心に性能を見ていこう。
3DMarkでは、Time Spyが1582、Fire Strikeが4180、Night Raidが15625、Wild Lifeが10392といったスコアだ。Fire StrikeとNight Raidのスコア差の通り、比較的軽量のタイトルがプレイ可能といったあたりになるが、従来のIntel UHD Graphicsのスコアよりも高いため、同じタイトルではより高解像度あるいは高画質設定が望める。
かなり軽量のドラゴンクエストX ベンチマークソフトでは、フルHD、高品質時で12288ポイントの「すごく快適」評価だ。とはいえ、従来のIntel UHD Graphicsでも同タイトルは十分なスコアと評価を得られており、高性能なIris Xe Graphicsでは当然だろう。Iris Xe Graphicsらしさは、4Kの高品質時でも3208ポイントの「普通」評価が得られているところにある。
World of Tanks enCore RT(リアルタイムレイトレーシングオフ)の超高プリセット(画質:超高、1920×1080ドット、アンチエイリアス:超高)も、5736ポイントで「良好な結果」評価を得ている。
ゲームタイトル以外にも、動画の変換速度や発熱を見ていこう。
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