マウスコンピューターから登場した「mouse CT6」は、ボディーの容積がわずか約0.8Lという超小型デスクトップPCだ。CPUにはAMDのRyzen 5 4500Uを搭載し、OS、キーボード、マウス込みで税別6万9800円の低価格から購入でき、BTOでのカスタマイズにも対応する。
このRyzen 5 4500Uは、ノートPC向けとして今最もコストパフォーマンスが良いといっても過言ではない“優良CPU”だ。それを採用し、「低価格から買えるBTO対応の超小型デスクトップPC」に仕立てた本製品も、とても魅力のあるものとなっている。評価機を入手したので早速レビューしよう。
まず注目したいのは、CPUにAMDのRyzen 5 4500U(6コア6スレッド、2.3GHz〜4.0GHz)を搭載していることだ。
AMDのCPUというと「安くて性能がそこそこ」というイメージが強いかもしれない。2019年後半からこのくらいの価格帯(税込み10万円前後)のPCに多く搭載されたRyzen 5 3500Uもその部類に含まれるCPUだったが、その後継となるこのRyzen 5 4500Uは異なる。この世代から導入されたZen 2アーキテクチャ、そして7nmプロセスルールの効果で、性能と電力効率ともに大きくジャンプアップしている。
ノートPC向けのCPUゆえ、単体での販売価格を知ることはできないが、本製品を含めた搭載PCの価格帯からすると、先代のRyzen 5 3500Uと大差ない価格なのだろう。それでいてマルチスレッド性能は、Intel最新の第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)のCore i7を上回るほどだ。シングルスレッド性能も十分な水準にあり、コストパフォーマンスは極めて優秀といえる。さらに発熱も低いので、性能と静音性を両立させるのには好都合だ。このような超小型デスクトップPCにピッタリのCPUに仕上がっている。
低価格の超小型のデスクトップPCは、性能が低いというイメージがあるかもしれないが、本製品に関してはその心配はない。実際の性能は後ほどベンチマークテストで検証しよう。
同社製PCでおなじみとなるBTOに対応し、メモリやストレージなどの柔軟なカスタマイズができる点もポイントだ。先ほども述べたように、Ryzen 5 4500Uは、低コストかつ省電力でありながら、非常に高いポテンシャルを持ったCPUである。メモリやストレージの環境を整えれば、写真編集や動画編集などの用途にも対応可能だ。
標準では8GBのメモリ(PC4-21300/8GB×1)、256GBのM.2 SSD(SATA 6Gbps)という仕様で、Webコンテンツを楽しんだり、ベーシックなビジネスやオンライン学習用途に使ったりするならばこれでも足りる。しかし、少し余裕をもってメモリを16GB、SSD容量を512GBにしておくと、カジュアルゲームや簡易的な写真/映像編集など、より幅広い用途にも活用できる。
なお、メモリは最大64GBまで、M.2 SSDは1TBまで、高速なPCI Express SSDも選べる。さらに2.5インチSSD/HDDの追加も可能になっている。
ボディーサイズは、本体のみで約28(幅)×150(奥行き)×194(高さ)mm、容積にすると約0.8Lで、重量も約590gと軽量だ。
縦置き用のシンプルなスタンドが付属しており、これを装着した状態では約73(幅)×150(奥行き)×219(厚さ)mm、重量は約747gとなる。安定して設置するためにスタンド底部は少し横幅があるが、見た目のすっきりした印象はスタンドを取り付けてもほとんど変わらない。
なお、本体に電源は内蔵しておらず、標準で付属する65W仕様のACアダプターで駆動する。
次に、本機ならではの活用法を見ていこう。
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