品質向上に特効薬はない 新型コロナによる価値観の変化にどう対応したのか? マウスコンピューター小松社長に聞くコロナ禍でも売上利益とも過去最高に(1/2 ページ)

» 2021年01月29日 06時00分 公開
[マルオマサトITmedia]

 2020年は、世界中が新型コロナウイルス(COVID-19)への対応に追われ、企業はさまざまな面でかじ取りを迫られた。その中で好調な業績を上げている企業の1つが、マウスコンピューターだ。2020年の第1四半期〜第2四半期ともに売上および各利益で過去最高を更新したという。

 新型コロナウイルスの感染拡大はどのように影響し、どのような対応を行ったのか、2021年の展開はどうなのか、代表取締役社長に就任して15周年を迎えた小松永門(こまつひさと)社長に聞いた。

マウスコンピューター小松社長 マウスコンピューターの小松永門代表取締役社長

コロナ禍を「安全第一」で乗り切り、テレワーク需要で業績を伸ばす

―― 2020年は第1四半期〜第2四半期ともに売上および各利益で過去最高を更新する結果になりました。その理由を教えてください。

小松社長 2020年は企業が本格的にテレワーク対応を始めたことで、ノートPCと液晶ディスプレイの販売が急激に伸びました。特に10万円前後のPCが売れ、夏のボーナス時期からは、コンシューマー向けPCの販売が大きく増加しました。リモート授業など、自宅でPCを使用する機会が増えたことを受けて、将来に向けてPC環境を整えたいという需要が大きかったようです。

マウスコンピューター小松社長 利用用途やユーザーごとに、さまざまなブランドを用意するマウスコンピューター。もちろん、パーツの細かなカスタマイズを行えるのも特徴だ

―― 新型コロナウイルスの感染拡大、緊急事態宣言という社会的な大きな出来事がありましたが、意識して取り組んできたことはありますか?

小松社長 新型コロナウイルスについては、とにかく「安全第一」です。社内からできるだけ感染者を出さないこと、感染を広げないことを何よりも優先しました。まずはテレワークですね。テレワークでできる業務は全てテレワークに移行するよう徹底しました。

社内でも全面的にテレワークを導入

―― テレワークは順調に移行できましたか?

小松社長 従来は自宅で仕事をするということがなく、そういった環境がないところからスタートしたものですから、やはり各部署それぞれで苦労はあったようです。椅子やテーブルを購入する必要があったり、ネット回線や電気代もかかったりするということで、モバイルルーターを貸与したり、手当も支給したりしています。

―― 業務効率などに影響はありましたか?

小松社長 業務効率についてはある程度は仕方がないと考えていましたが、やはり長い期間直接会うことがないので、いかに部署内でのコミュニケーションを円滑にとってもらうかは懸念事項でした。

 そこで、Microsoft Teamsのビデオ会議で毎日朝礼と夕礼をすること、その際には全員の顔を映して、顔を見て話をしようということは指示しました。慣れていないメンバーは顔を映すことに抵抗を覚えたケースもあったようですが、業務上、顔の状態、表情から伝わってくるものは重要だという判断から義務としました。今では、会えないぶんも積極的にコミュニケーションを図ってうまくやってくれていると思います。

マウスコンピューター小松社長 インタビューはMicrosoft Teamsを使って行われた。写真は、2019年9月に大阪なんばCITYで行われたマウスキャラバンでの一コマ

―― 製造工場などはどうでしょうか。

小松社長 テレワークができないコールセンターや工場などは、アルコール消毒などの対応に加え、細かく区画を分けるとともにできるだけ従業員同士が行き来せずに仕事ができるようにしました。

 例えば、工場は外部からの出入りを禁止し、社内でも拠点間の移動は禁止としました。出張はなくして、会議などはTeamsを使ってオンラインで行っています。私自身も工場訪問は控えております。結果的に、工場は今まで1度も止めることなく稼働することができています。

―― サプライ(部品供給)への影響はありましたか?

小松社長 最初の緊急事態宣言前後は海外からの輸入が一時的に止まったことがありました。たまたま在庫を多めに持っていたこともあって、致命傷ではありませんでしたが、一部のお客さまにはご迷惑をおかけする形になってしまいました。その後も、CPUやGPUなど部分的に足りなくなったことなどがあり、納期変更や構成変更などをお願いしたということがあって、お客さまにご迷惑をおかけして申し訳なく感じています。

―― 新型コロナウイルスの影響で、これまで御社が毎年恒例で実施されている組み立て教室や訳ありセールなどが行えませんでしたが、このような状況下でお考えになったこと、対策などをお聞かせください。

小松社長 自社主催のイベントもそうですし、東京ゲームショウやCP+といった大規模イベントへの出展や協賛などを含め、オフラインのイベントを行うことができませんでした。

 当社は「人とPCはもっと近づける」を掲げているように、お客さまとのコミュニケーションを大事にしているため、こういったオフラインのイベントなどが行えなくなったのは大変残念に思っています。特に、組み立て教室に関しては、毎年小学6年生のお子さまを対象にしているものですから、「今年は自分の番だ」と楽しみにしていただいた方にはがっかりさせてしまったと思います。

 改めてオフラインのイベントの再開を考えられる状況になったら、対象学年の方に向けて何かフォローできることを考えたいとは思っていますが、感染拡大が続いている現段階では、まだそのような状況にはないというのが正直なところです。

マウスコンピューター小松社長 AMDのCPUを搭載したモデルが用意される「浦和レッズオフィシャルパソコン」。埼玉県春日部市で創業したマウスコンピューター(MCJ)と、埼玉県浦和市(現在のさいたま市)で誕生した浦和レッズが手を組んだ

―― 製品の方では、スタディパソコンの2in1タブレット「mouse E10」、浦和レッズオフィシャルパソコンの投入など、さまざまな取り組みがありました。伸びたブランド、売れた製品、思い入れがある製品などをありましたら教えてください。

小松社長 一番伸びたのは、mouseブランドのノートPCですね。テレワーク需要が大きかったと思います。中でもモバイル向けのmouse X4やmouse X5という製品は、良いフィードバックをたくさんいただきました。価格と性能、携帯性のバランスの良さが好評価をいただいた理由じゃないかと思っております。GIGAスクール構想、教育現場向けの大量導入用PCの取り扱いは当社としては新しい試みでした。引き続き、製品の取り扱いを続けていきます。

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