念のため電源を入れて確認しておこう。ブラウザを使って設定画面にアクセスし、ユーザー名とパスワードを入れてNASにログインする。NAS本体を交換したとはいえ、中身のシステムはそのままなので、前のモデルで使っていたのと同じユーザー名とパスワードであっけなく起動する。
もちろん中身もそのまま、ファイルもそのままで、システムログを見てもNAS自体が別のモデルになったという痕跡すらない。そのまま使用して何ら問題ない。
ただし筆者のように、従来モデルの製品名をそのままサーバ名に使っていた場合、管理上、新しいモデルの名前に変更しなければならず、その結果としてWindowsのファイル共有などを再設定する必要が出てくる。これが手間といえば手間だ。もちろんそうでない命名ルールを採用しているのであれば、そのままで構わない。
これ以外では、本体の交換によってMACアドレスが変更になっており、Wake on LANの設定を行っている場合、WOLパケットを送出するソフトの側でMACアドレスを書き換えておかないと、リモートで起動できなくなってしまう。強いて挙げれば、必要な事後処理はこれということになる。
念のため、この段階でスループットに違いが出ているかもチェックしておこう。冒頭に述べたように、筆者宅では現時点で2.5GbE対応NASの速度を生かせる環境がそろっておらず、中継するハブはギガビットのまま、有線で接続しているPCもギガビット止まりで、そこがボトルネックになることが考えられる。
CrystalDiskMarkによるベンチマークの結果は以下の通りで、案の定というか、速度面で変化はほぼ誤差レベルだ。本製品はCPUにCeleron J4005を採用するなど、ホームNASとしてはかなりのハイスペックだが、いかんせんNICやハブがギガビットのままなのでどうしようもない。現状では宝の持ち腐れと言ってよい。
もっとも、こうしたネットワーク機器を入れ替える場合は、全てを一斉に取り替えるのは予算的にも難しく、順番に交換していかざるを得ないため、最初にきっかけがあった機器から順番に入れ替えていくのは特に間違っていない。今後の2.5GbE化のプロセスは、順次記事として紹介していく予定だ。
次回は、本製品のドライブ換装の模様をお届けしたい。
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