実録:NASのドライブを換装して容量を増やしてみる(ASUSTOR編)最新NASのススメ(1/2 ページ)

» 2021年06月11日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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 NASはその便利さゆえ、ストレージの容量がすぐに足りなくなりがちだ。購入して使い始めたところ大変便利だと分かる→ローカルに保存していたデータを手あたり次第に移動、という流れで、何TBもの容量をアッという間に使い切ってしまうこともしばしばだ。

 SynologyやQNAP、ASUSTORなどが販売している、自分でドライブを組み込むタイプのNASキットは、こういったドライブの換装による容量増に対応している。2台のドライブで構成されたRAIDのドライブを1つずつ交換することで、手動でデータをコピーしなくとも、大容量のドライブに置き換えられるというわけだ。

 ドライブを組み込んだ状態で販売しているNASのほとんどは、こうしたドライブの交換に対応していないか、対応していても手順が難解なため、これらのNASキットを所有しているユーザーは、ぜひともこのメリットを生かしたいところだ。

 今回は、前回2.5GbE対応製品への置換を行ったASUSTORの2.5GbE対応NAS「AS5202T」を使い、ドライブの換装による容量の増加を行ってみたい。

→・実録:ホームNASを2.5GbE対応モデルに乗り換えてみた(ASUSTOR編)

AS5202T ASUSTORのNAS「AS5202T」。2.5GbEに対応した2ベイのNASだ。詳しくは以前の移行記事を参照されたい

ドライブを1台ずつ交換、再構築は全て自動

 今回試すASUSTORのAS5202Tは、2.5GbEに対応した2ベイのNASだ。こうした2ドライブのNASは、冗長性を高めるべく、RAID 1(ミラーリング)で運用している人が多いはずだ。

 このドライブを1台ずつ、大容量の製品に置き換えることによって、NAS全体の容量を増やしてしまおうというわけだ。今回は、元の8TB HDD×2台というRAID 1の構成を、10TB HDD×2へとアップグレードする。

 作業は至って簡単で、RAID 1を構成している8TB×2のドライブの片方を抜き、空の10TBのドライブを差し込む。もう一方のドライブからデータをコピーしてRAID 1を再構築する作業(リビルド)が自動的に始まるので、完了するのを待つ。

 完了したら、残るもう1本のドライブを抜いて10TBのドライブを差し込み、こちらも同様に再構成を行う。手動でデータをコピーする必要は何もなく、基本的に放置しておけば問題ない。ただし時間は相応にかかるので(後述)、我慢強く待つ必要がある。

 ちなみに今回はRAID 1だったため交換するドライブは2本だけだが、ドライブの本数がさらに多い場合も要領は同じだ。進ちょくはブラウザからアクセスできる設定画面上で表示されるので、「再構築中」という表示が消えれば次のドライブを交換する手順で、全てのドライブを交換すればよい。なお(言うまでもないが)RAID 0には対応しない。

AS5202T フロントカバーを外して2台のドライブのうち1台を取り外す
AS5202T この状態で新しいドライブを取り付けてもよいのだが、今回は設定画面でどのように表示されるか確認するために、シングルドライブのままいったん起動する
AS5202T RAIDボリュームに異常が発生していることを知らせる警告が表示されている
AS5202T ドライブ1が空欄になっており、データ保護が「なし」になっている。RAIDが機能していないことが分かる
AS5202T 改めて新しいドライブ(右)へと載せ替える
AS5202T 工具不要で、左右からアジャスターをはめ込むだけで取り付けられる
AS5202T 交換したHDDをNASに戻す。この間、NASの電源は入れたままだ
AS5202T RAIDの再構築(リビルド)が開始された。ステータスに「再構築中」と表示されているのが分かる。また下段にも、ドライブ1が「同期化中」であることが表示されている
AS5202T 一晩かかって再構築が完了し、ステータス、データ保護がともに「良好」になった。これで半分の作業が完了だ
AS5202T 続いて、もう一方のドライブを取り外し、新しいドライブを挿入する
AS5202T 残り1本の再構築が自動的に開始されるので、終了するまで待つ
AS5202T 再構築完了。ステータスが「良好」になっている。この時点ではまだ従来の総容量(7.16TB)のままだ

 続いて、ドライブ交換後の設定を見ていこう。 

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