NASはその便利さゆえ、ストレージの容量がすぐに足りなくなりがちだ。購入して使い始めたところ大変便利だと分かる→ローカルに保存していたデータを手あたり次第に移動、という流れで、何TBもの容量をアッという間に使い切ってしまうこともしばしばだ。
SynologyやQNAP、ASUSTORなどが販売している、自分でドライブを組み込むタイプのNASキットは、こういったドライブの換装による容量増に対応している。2台のドライブで構成されたRAIDのドライブを1つずつ交換することで、手動でデータをコピーしなくとも、大容量のドライブに置き換えられるというわけだ。
ドライブを組み込んだ状態で販売しているNASのほとんどは、こうしたドライブの交換に対応していないか、対応していても手順が難解なため、これらのNASキットを所有しているユーザーは、ぜひともこのメリットを生かしたいところだ。
今回は、前回2.5GbE対応製品への置換を行ったASUSTORの2.5GbE対応NAS「AS5202T」を使い、ドライブの換装による容量の増加を行ってみたい。
→・実録:ホームNASを2.5GbE対応モデルに乗り換えてみた(ASUSTOR編)
今回試すASUSTORのAS5202Tは、2.5GbEに対応した2ベイのNASだ。こうした2ドライブのNASは、冗長性を高めるべく、RAID 1(ミラーリング)で運用している人が多いはずだ。
このドライブを1台ずつ、大容量の製品に置き換えることによって、NAS全体の容量を増やしてしまおうというわけだ。今回は、元の8TB HDD×2台というRAID 1の構成を、10TB HDD×2へとアップグレードする。
作業は至って簡単で、RAID 1を構成している8TB×2のドライブの片方を抜き、空の10TBのドライブを差し込む。もう一方のドライブからデータをコピーしてRAID 1を再構築する作業(リビルド)が自動的に始まるので、完了するのを待つ。
完了したら、残るもう1本のドライブを抜いて10TBのドライブを差し込み、こちらも同様に再構成を行う。手動でデータをコピーする必要は何もなく、基本的に放置しておけば問題ない。ただし時間は相応にかかるので(後述)、我慢強く待つ必要がある。
ちなみに今回はRAID 1だったため交換するドライブは2本だけだが、ドライブの本数がさらに多い場合も要領は同じだ。進ちょくはブラウザからアクセスできる設定画面上で表示されるので、「再構築中」という表示が消えれば次のドライブを交換する手順で、全てのドライブを交換すればよい。なお(言うまでもないが)RAID 0には対応しない。
続いて、ドライブ交換後の設定を見ていこう。
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