SOHOや家庭でも使われる機会が増えつつあるNASだが、最近じわじわと増えつつあるのが、2.5GbEに対応した製品だ。これまでのギガビット対応NASに比べると、最大150%の高速伝送(※リンクアグリゲーション利用時)が可能で、動画をはじめとした大容量データを扱うには最適だ。
もちろん、それを実現するためには、PC側の有線LANインタフェースやハブなど、経路上の機器も全て2.5GbE対応製品に交換する必要はあるが、今新しくNASを購入するのであれば、先を見越して2.5GbE対応製品を選んでおくのは、選択として悪くない。
今回、ASUSTORが販売している2.5GbE対応2ベイNAS「AS5202T」を購入したので、筆者がこれまで使用してきた同社のギガビット対応2ベイNAS「AS3102T」からの移行手順を紹介する。
→・実録:NASのドライブを換装して容量を増やしてみる(ASUSTOR編)
筆者がこれまで使用していたギガビット対応の2ベイNAS「AS3102T」は、2015年に発売されたモデルで、筆者はかれこれ5年の付き合いになる。
現状、特に不具合はないのだが、NASは常時稼働させていると、本体側が故障する確率も上がってくるので、ドライブの寿命うんぬんとは別に、5〜6年をめどにリプレースした方が精神衛生上よいというのが、各社のモデルを一通り使ってきた筆者の考えだ。
また、同社のNASは内蔵のドライブを抜いて差し替えるだけで、上位モデルへの移行が簡単に行える。それゆえ候補を探していたところ、たまたま某店でセールが行われていた2.5GbE対応の2ベイNAS「AS5202T」を購入できたため、移行に着手したというのがこれまでの流れだ。
筆者宅はまだ2.5GbE環境が整っていないので、今NASを入れ替えたところで転送速度がすぐに向上するわけではないのだが、ランニングチェンジ的に移行していくにあたってまずは手始めに……といったところだ。
詳しくは後述するが、他に所有しているNASも順次入れ替えを行い、最終的に2.5GbE環境に統一するというロードマップである。
さて移行の手順だが、これは実に簡単だ。AS3102Tの電源をオフにして本体のネジを外し、ドライブを取り出した後、新しく購入したAS5202Tに取り付ける。たったこれだけで、移行が完了する。
AS3102Tは、本体のケースを分解してドライブを取り付ける構造だが、移行先であるAS5202Tは、ドライブを装着したトレイを正面から差し込むスロットイン構造を採用している。そのため、本体から取り出したトレイに、これまで使っていたAS3102Tのドライブを取り付けて挿入するだけで済む。本体を分解する必要はなく、作業は10分もかからない。
これが新しいドライブへの移行ともなると、データのコピー方法をあれこれ考えなくてはいけないのだが、本製品の場合は物理的にドライブを載せ替えるだけで完了するので、全く手間がかからない。同社の他、QNAPやSynologyなど、システムをドライブにインストールして使うタイプのNASは、こうしたドライブ載せ替えによる移行に対応している。
続いて、電源を入れてみよう。
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