最後になるが、インターネット回線にも1Gオーバーの波は来ている。ローカルネットワークだけではなくインターネットも高速化できる可能性があるが、インターネット回線の場合はキャリアによって仕様が大きく異なる場合があることに気を付ける必要がある。
例えば、2Gbpsのプランだけれどもその速度は宅内終端装置までであり、そこから先の有線ポートは1GbEというもの、10GbpsのプランだがレンタルされるルーターはWAN側のみ10GbE対応でLAN側は1GbEのみ、というものもある。この場合は2.5GbE対応スイッチを途中に入れてもインターネット側の高速化は望めず、宅内終端装置やルーターのLANポートに直接接続する方が全体の高速化につながる。もちろん、ローカル内の通信速度向上には有効だ。
2.5GbEは、思いのほか使い勝手がよい。Cat5eという既存インフラが利用可能というアドバンテージは予想以上に大きなものだという印象だ。
その一方で、現状ではまだまだ10GbEのハードルが高い。機器直結でもしない限り、ターゲットとする通信規格に対応するスイッチングハブの導入は必須だが、現時点では全ポート10GbE対応スイッチングハブはかなり高価だ。それにケーブルの再敷設コストも大きい。どうせコストがかかるなら、しばらくは敷き直さなくてもいいケーブルにしたいと考えるのが自然だろう。
そう考えたときに、Cat6Aは10GbEのその先でも使用できるのか、2.5GbEの4倍という通信速度は再敷設のコストに見合うのだろうか、という懸念もある。事実、25GbE、40GbEではCat8が必要であるため、現状のままだとCat6Aは10GbEどまりのケーブルということになってしまう。
Cat5eケーブルの最速規格である2.5GBASE-Tは、ローカルネットワークの主軸規格としてしばらくは利用されることになるだろう。実売9000円台のFX2G-05EMはその強力な推進役となりそうだ。
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