取り外しできるテンキーは、キーボード本体の左右どちらにも配置できる。今回試用した際は、マウスの動作を妨げないように左側に取り付けていたのだが、右利きの筆者にはやはり操作しづらかった。ただ、これは慣れの問題でもあるので、評価のポイントではない。大事なのは、どちらにも配置して使えるということだ。左利きの人からすれば、左側にテンキーがあれば使いやすいはずである。
テンキーの取り付けは、キーボード本体とテンキーにマグネットで付いているカバーを外し、両方を合わせたら上から下にガシャコン、と入れる形で行う。感覚的には、Nintendo SwitchにJoy-Conを取り付ける際の操作と同じだと思ってよい。
テンキーの上部には、ローラー状のボリュームコントローラーが配置されている他、4つの「メディアキー」が用意されている。メディアキーにアプリを割り当てれば、キーを押せばサッと起動できる。
傾斜(チルト)機構は、キーボード本体とテンキーの両方に備わっている。キーボードとテンキーで角度がズレるといったことはないので安心してほしい。ただし、調整できるのは1段階のみである。
ROG Claymore IIのライティング設定は、ASUSのROG(Republic of Gamers)ブランドではおなじみのアプリ「Armoury Crate」から行う。
このアプリでは、全てのASUS製デバイスのライティングを調整できる。基本エフェクトを使ったコントロールはもちろん、「Aura Creator」を使えば細かい“光り方”を作成可能だ。
ROG Claymore IIでは、キースイッチに加えてキー部分のLEDも刷新されている。先代よりも明るくて見やすい光り方を設定できることが魅力である。実際に試してみると、とても滑らかな動きで光ってくれるので、とにかく美しい。
「ゲーミングキーボードにはライティングが必須!」という風潮は結構強い。その影響を受けたのか、ゲーミングキーボードを使い慣れた後に普通のキーボードに戻ると、何となく物足りない感じがするのが不思議である。
ちなみに、筆者は「レインボー」で光の移動がないパターンで使っている。なぜかというと、キーボードをゾーン分けして光ってくれるからである。キーの配置が分かりやすいので、タイピングしやすいのだ。
Armoury Crateでは他にも、キーの割り当てを変更する機能を備えている。制限なく、任意のキーに好きな設定を行える。先述のメディアキーに対する機能の割り当ても、ここから行える。
ROG Claymore IIの最大の魅力は、テンキーを取り外せることにある。しかも、左右どちらにも置けるので、いろいろな使い方に対応できるのがとにかく良い。ワイヤレス利用に対応したことも魅力である。ケーブルを取り回す必要がなくなるのは、意外と精神面に安寧をもたらす。
強いて問題点を挙げるのならば、価格に尽きる。先述の通り直販価格は3万778円で、一般的なキーボードと比べると高価な部類に入る。店頭での実売価格も同程度である。
もっとも、この価格はフルサイズのゲーミングキーボードとしては比較的標準的でもある。テンキーの着脱で「TKL」にも「フルサイズ」にもなれるROG Claymore IIは、省スペースでも使える臨機応変なキーボードを探している人にオススメしたい。
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