東京都渋谷区と同区に本社を構える企業5社(東急、ミクシィ、サイバーエージェント、DeNA、GMOインターネット)は、2019年6月に「プログラミング教育事業に関する協定」を締結した。それに基づき、6者は「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」を結成し、さまざまな取り組みを進めている。
参画企業の1つであるミクシィは、2020年度から渋谷区立鉢山中学校でプログラミング教育の支援を行っている。中学校課程の技術・家庭科においてプログラミング教育が必修化されたことに伴い、2021年度は同社が学習指導要領に準拠する形でカリキュラムと専用ソフトウェアを開発し、社員を講師や支援員として派遣することで支援を行った。
技術・家庭科でのプログラミング教育(プログラムによる計測・制御)は、4時間(50分×4コマ)の授業時間が想定されており、前回の記事では前半の2時間の様子をレポートした。
今回は、後編として3回目の授業(9月22日実施)と4回目の授業(9月29日実施)の様子と共に、4回の授業を終えたミクシィと鉢山中学校の担当者へのインタビューの模様をお伝えする。
3回目の授業は、前回の最後に学習した「リスト」の復習から始まった。リストは配列的な使い方ができるので、多くのデータを一括して扱う際に欠かせない。今回の授業では、for文を使ってリストの中身を順に表示させる方法も解説された。
続いて、前回も取り組んだ「コードパズル」で、リストを使ったプログラミングを実践した。リストを使うこともあり、前回よりもプログラミングの難易度は上がっている。しかし、生徒も慣れてきたようで、それぞれのペースで課題を進めていた。
続いて、モダンなプログラミング言語において重要な概念である「関数」の定義の解説が行われた。解説役は、この単元で講師を務めるミクシィの田那辺輝氏だ。
プログラミング言語における「関数」は、中学生が数学で学ぶ「関数」とは似て非なる部分もあるので、難しいと感じる生徒も少なくないと思われる。それでも、生徒は集中して田那辺氏の話を聞いていた。
3回目の授業では、関数からさらに進んで「クラス」に関する説明も行われた。
クラスは、オブジェクト指向のプログラミングの“キモ”となる概念の1つだ。しかし、プログラミング初心者には難しい。そのことを承知していたのか、田那辺氏はオラゴンをプログラミングで操る「課題解決」でもクラスが使われていたことを“種明かし”しつつ説明を行った。
最後は、画面にクリックできるボタンを表示させ、それをクリックすると何かが実行される様子を紹介して、3回目の授業は終わった。
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