Dell Technologiesは12月14日から15日(米国東部時間)にかけて、ノートPCや周辺機器のコンセプトを相次いで発表した。あくまでも“コンセプト”なので一般向けに発売される予定はないが、今後の新製品に反映される可能性がある。
「Concept Luna」は、持続可能性(サステナビリティ)を高めたノートPCを作るべくIntelと共同で開発されたコンセプトモデルだ。コンセプトが全て実現できた場合、製造過程で排出される二酸化炭素の量が50%程度削減できる見通しだという。
Concept Lunaの外観。一見すると普通のモバイルノートPCに見えるが、持続可能性に配慮された設計を盛り込んだコンセプトモデルである
このモデルに盛り込まれている主なコンセプトは以下の通りだ。
- マザーボードの設計の見直し(二酸化炭素排出量を約50%削減)
- 総面積の削減(約75%削減することが目標)
- 部品点数の削減(約20%削減することが目標)
- マザーボードの天板への配置(ファンレス設計を目指す)
- 長寿命な小型バッテリーの搭載(消費電力の削減が前提)
- 水力発電で得られた電力で加工されたアルミニウムボディーの採用
- 層を削減した省電力液晶ディスプレイの採用
マザーボードの面積は約4分の1に、部品点数は約8割とすることが目標だという
小型化したマザーボードをアルミニウム製の天板側に移動することで、排熱効率の向上と熱分布の偏りの削減を図り、ファンレス設計とする
液晶ディスプレイは複数の「層」で構成されている。これを削減することで、使われる資源を減らす
加えて、Concept Lunaはリユース(再利用)や修理をしやすくする工夫も凝らされている。主要なポイントは以下の通りだ。
- 本体で用いるネジの大幅な削減(修理にかかる時間を約1.5時間削減)
- 内部部品にアクセスするために外すネジは“4つ”だけ
- 取り外しやすいパームレストとキーボード
- 接着剤を使わず固定する設計
- ボディーと同一素材を採用(リサイクルをしやすくするため)
- 製造は「オンデマンド」方式で実施
- 長寿命な小型バッテリーの搭載(PCのリファービッシュや再利用を促す)
- 亜麻繊維を使ったPCB(プリント回路基板)の採用(リサイクルの容易化)
- 接着剤を使う部分には水溶性ポリマーを採用(リサイクルの容易化)
ネジの数を大幅に削減し、修理や分解をしやすくしている。ネジを4つ外すだけPC内部にアクセス可能だ
パームレストやキーボードは、接着剤を使わずに固定されている。公式動画を見る限り、先述の4つのネジのうち2つを外すだけで取り外しできるようだ
液晶パネルは簡単に取り外せるようになっており、マザーボードを含む各種部品にも簡単にアクセスできるという
部品を簡単に取り外せることにようにすることで、リユース、修理はもちろんリサイクルもしやすくなる。パーツを取り換えることでスペックアップ(アップグレード)することも想定しているようにも思える
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