緊急事態宣言の解除以降、出社して仕事をしたり、在宅で仕事をこなしたりというハイブリッドワークが続くが、特に快適な在宅ワークを実現する上でカギを握るのが、椅子だ。
食事の際に使うダイニングチェアはシンプルだが、座り続けるのは30分〜1時間程度が限界だし、会社で使われる場合が多い、メッシュ状のオフィスチェアを手に入れようとして調べてみると意外と高価(さまざまな種類はあるが)なことに気がつく。しかし、在宅での仕事は気がつくと長時間座っているケースが多く、平気で2〜3時間も座り続けていたりする。
そうなると、1時間程度の着座を想定しているオフィスチェアではあまりフィットせず、むしろ長時間座っての利用に適したゲーミングチェアがいいのではという流れが出てくるのは当然だ。2020年の春以降、Googleの検索ワードでも「ゲーミングチェア」が上昇し、実際にゲーミングチェア市場に参入する企業も増えた。家電量販店での展示スペースも拡大し、AKRacingのようにサッカーや野球場のベンチに導入されるケースもあるなど、いろいろなところで目に付く機会が増加している。
PC USERでも、これまでゲーミングチェアのレビューを届けてきたが、どうしても5万円を超えるものが多く、初めて挑戦するにはなかなかハードルが高かった。
もっと手軽に試せるものはないだろうか……。今回取り上げるKARNOX(カルノックス)のゲーミングチェアは、米国や欧州、アジアの17カ国で販売されており、自社工場での生産を売りにしている。実売2万円台で入手でき、2年間の無償部品交換保証が標準で付いているのも大きい。これなら最初のゲーミングチェアとしても手を出せる範囲ではなかろうか。
現在、日本ではスタンダードな「LEGEND」シリーズと最も安価でコンパクトな「GENIE」シリーズをAmazonで販売中だ。ここではLEGENDシリーズを中心に使い勝手を見ていこう。
2010年に中国で設立されたというKARNOXだが、イギリスのカーエンジニアの共同でeスポーツ向けのゲーミングチェアを開発したこともあり、見た目はレーシングカーのシートをモチーフにしたものだ。
頭と肩を支えるハイバックに、首と腰を支えるヘッドレストとランバーサポート、さらに座面とアームレストの高さ調節機能に5つのキャスターホイールと、まさにゲーミングチェアのイメージをそのまま体現している。
シートの素材は複数あり、今回試用した通気性の良いファブリックタイプ(ダークグレー)とライトグレーに加え、高級感のあるポリウレタン(PU)レザータイプ(ブラックレザー)、そしてスエードファブリックとPUレザーを組み合わせたモデル(ブラック)などが用意される。
とはいえ、以前取り上げたゲーミングチェアと同様、最初に待っているのは組み立て作業だ。配送される段ボールの大きさは、約69.5(幅)×87.5(奥行き)×37.5(高さ)cm、重量は約26kgと巨大なので、宅配スタッフに玄関前まで運んでもらったら、組み立てるパーツごとに箱から取り出して家の中に入れて組み上げるというのが現実的だろう。
一通りの組み立てパーツをそろえたところで、早速組み立てていこう。
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