では実際に使ってみよう。接続方法はUSB Type-C、もしくはHDMIのいずれかで、前者はUSB Type-Cケーブル1本で完結する。後者はHDMIケーブル以外に、給電用のケーブルを接続する必要がある。この給電は右側面にあるUSB Type-Cポートを用いて行う。
一通り使ってみて気になるのは、前回の15.8型モデルと同じく、左右方向の視野角が狭いことだ。斜め横から見ると画面が極端に暗くなるので、複数の人が左右からのぞき込む用途には適していない。また、ノートPCの横に並べて使う場合も、なるべく画面が自分に正対するように向きを調整した方がよい。
一方で前回の15.8型モデルは、背面のマグネットカバーが非常に外れやすいのが欠点だったが、本製品は相対的に軽量なせいか、置き場所を動かそうとしてカバーが不意に外れる事故が起こりにくい。頻繁に置き場所を変えるような使い方には、本製品の方が向いているだろう。
さらに、前回の15.8型モデルでは画面の角度調整は不可能だったが、本製品は2段階で調整できる。カバー兼用スタンドの構造は全く同じなのだが、もう一段階傾けた時に15.8型モデルは自重を支えきれずに転倒してしまうのに対し、本製品は磁力でギリギリ支えられることによるものだ。マグネットの吸着力と自重のバランスは、おそらく本製品の方が、設計者の意図に沿っていると考えられる。
OSDメニューは、本体右側面のジョグダイヤルで操作する。こういったジョグダイヤルを採用した製品は他社にもあるが、ジョグダイヤルを上下に動かしているのに項目が移動する向きは左右方向だったりと、明らかに無理をしている製品も見られる。しかし本製品はそうしたこともなく、直感的な操作が可能だ。
またジョグダイヤルを上に倒すと明るさ調整メニューの表示、下に倒すと音量調整メニューの表示といった具合に、メインメニューを経ずにこれらの調整を行うショートカットも実装されている。明るさ調整と音量調整は利用機会も多いため、このショートカットの利便性は高い。
以上ざっと使ってみたが、前回の15.8型モデルと同様、本製品ならではの際立った特徴というのはなく、基本機能に特化した製品だ。とはいえ押さえるべきところはしっかりと押さえており、目立つ欠点もない。左右方向の視野角の狭さが気になる程度だ。
そんな本製品の実売価格は、1万8千円前後となっている。13.3型モデルで2万円を切る製品は数少ないので、この価格でありながら国内メーカーの1年保証がついた本製品は、選択肢としては悪くない。日本語のしっかりしたマニュアルも添付されており、価格優先のユーザーはもちろん、初めてモバイルディスプレイを購入するユーザーにもお勧めできる製品だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.