ASUS JAPANの「ProArt Display PA148CTV」は、色再現性に注力することで写真家や映像編集者、グラフィックデザイナーなどクリエイター向けをアピールする14型のモバイルディスプレイだ。背面のダイヤルやタッチスクリーンを用いて接続先PCのアドビ製アプリを操作できるなど、他にないギミックを搭載するのも特徴である。実機を借用したので、試用レポートをお届けしよう。
まずは基本的なスペックをざっと確認しておこう。画面サイズは14型と、現在主流の15.6型よりは一回り小さい。パネルはIPS方式で画面は非光沢、解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)、10点マルチタッチ操作に対応している。
視野角は水平/垂直ともに178度で、最大規模は300ニト、コントラスト比は700:1、応答速度はGTGで5msとなっている。リフレッシュレートは最大60Hzと、ゲーミング用のような高いリフレッシュレートではない。
sRGBとRec.709を100%カバーしているのに加え、Calman認証を取得するなど、色の再現性に注力しているのが、競合製品と比べた場合の大きな特徴だ。工場出荷時にプレキャリブレーションを実施することでΔE<2の色差を実現しており、印刷物などの色味チェックにすぐ利用できるのも、モバイルディスプレイとしては珍しい。
ボディーは背面にキックスタンドを一体化しており、折りたたむと完全にフラットになる構造だ。本体の上下角度は30度から150度まで調節可能と、他製品と比べてもかなり広い。タッチスクリーンも安定して操作できるこの構造は、後述する「Virtual Control Panel」を利用するにあたって重宝する。
本体底面には、三脚に取り付けて使用するためのネジ穴も用意している。同社の他のモバイルディスプレイにも見られるギミックだが、背面ではなく底面にあるのは珍しい。屋外で三脚に取り付けての利用で威力を発揮するが、1台の荷重をネジ穴1つで支えるため、強度について過信は禁物だ。
本体の重量は公称値が約740g、実測では762gあった。キックスタンドを含む値なので、十分に軽量と言えるだろう。持ち歩きにあたっては、これに保護スリーブの重量が加算されるが、それを足しても1kgを超えることはない。
接続方式はHDMI、USBType-Cの両方に対応しており、パッケージにはHDMIケーブル、USB Type-Cケーブル、USB Type-A→Type-Cケーブル、電源アダプター、さらに保護スリーブが付属している。他にも規格違反品となるUSB Type-C→USB Standard-A変換アダプターも添付されるが、誤用によるデバイスの破損を防ぐ意味からも使うべきではない。
それでは、PCと接続して使ってみよう。
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