ASUS JAPANの「ZenScreen MB14AC」(以下、MB14C)は14型のモバイルディスプレイで、接続方法をUSB Type-Cに限定し、軽量なボディーを実現していることが特徴だ。
現行のモバイルディスプレイのほとんどは、HDMIとUSB Type-C、2つの方式に対応している。最近はUSB DispalyPort Alternate Mode対応のUSB Type-Cポートを備えたノートPCも増え、HDMIポートを省いてボディーが薄くて軽くなるなら、それに越したことはないという人も多いだろう。
今回紹介するMB14ACは、HDMIポートを省いて接続方法をUSB Type-Cに絞ることで、ボディーの軽量化を果たした。公称値で約590gという軽さは、現行の12.9インチiPad Pro(641g)はもちろん、発表されたばかりの新型12.9インチiPad Pro(682g)よりも軽いというから驚きだ。縦横両置きをサポートする他、三脚への取り付けが可能なネジ穴を背面に備えるなど、ユニークなギミックも搭載している。
2020年6月に発表されながら、日本国内ではなかなか販売が開始されなかったこのモデルが、ようやくお目見えすることになった。想定実売価格も税込みで2万6820円と手頃で、ユーザーとしても待望と言えるこの製品を、細かくチェックしていこう。
まずは基本的なスペックをチェックしよう。画面サイズは14型で、画面解像度は1920×1080ピクセル、パネルはIPS方式で、ノングレア加工が施されている。視野角は上下/左右ともに178度で、輝度は250ニト、コントラスト比は700:1、応答速度は5msだ。
前述のようにインタフェースはUSB Type-Cポートのみで、側面のポートもこれ1つしかない。HDMI接続をサポートするモデルだと、USB Type-Cポートとは別に電源供給用のUSBポートを備えていることが多いが、本製品はそれも省かれているので、搭載ポートはUSB Type-C×1のみということになる。
タッチ操作に対応しない他、スピーカーも装備しておらず、さらにイヤフォンジャックも備えない。音声出力系の機能を持たないという、かなり割り切った仕様だ。
現行のモバイルディスプレイは、本体の上部が薄く、下部は厚みがあるデザインを採用していることが多い。その点、本製品は上から下までフラットな形状を採用しているのがポイントだ。厚さは約9〜11.2mmと極端に薄くはないが、実測で583gと軽いこともあってか、体感的にはもっと薄く思えるのが面白い。
スタンドは、画面を覆うカバーを背面に1周させるとスタンドになるタイプではなく、カバーそのものを取り外して組み立てることで、スタンドになる仕組みだ。安定性はお世辞にも高いとは言えないが、持ち歩く場合の軽量化には大きく貢献している。
HDMIポートを搭載しないため付属品は少なめだが、USB Type-Cケーブルに加えて、USB Type-A→Type-Cケーブルは付属する。PC本体がUSB DispalyPort Alternate Modeをサポートしない場合は、同社のドライバをインストールすることで、USB Type-Aポートでも接続できる仕組みだ。
ちなみに同社の製品は、USB Type-CをUSB Type-Aに変換するアダプターが付属するモデルもあるが、本製品は前述のように単体のUSB Type-A→Type-Cケーブルが付属している。USB Type-CをUSB Type-Aに変換するアダプターはUSB Type-Cの規格外であるため、本製品の付属品があるべき姿ということになる。ぜひこれを標準として継続してほしいところだ。
続いて、ノートPCにつなげてみよう。
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