もう1つ、本製品の画面に各アプリごとの固有のインタフェースを表示し、タッチで操作する「Virtual Control Panel」という機能もある。本製品をディスプレイとしてではなく、タッチ対応の操作パネルとして使う機能で、こちらでは14型の画面をまるごと使ってジョグダイヤルはもちろん、オン/オフのスイッチやスライダーを扱えるため、より詳細な操作が可能だ。
ちなみにこれらの利用にあたっては同社サイトから2つのユーティリティー(ProArt Creator Hub、ASUS Dial Control Panel Toolkit)をダウンロードし、順にインストールする必要がある。Photoshopの場合、完了するとエクステンションの中に「ASUSControlPanel」「ASUS Dial」の2つがインストールされて、利用可能になる。
これらはアドビ系アプリと連携する機能だが、他にもMicrosoftの「Surface Dial」と連携して音量をコントロールするなど、さまざまな使い方を可能にしている。
以上ざっと使ってみたが、色の再現性をはじめとした基本性能の高さはもちろんのこと、ダイヤルによる操作などの付加価値もある。
実売価格は5万円台後半で、同社直販のASUS Storeでは5万3820円(税込み)と、同等サイズのモバイルディスプレイに比べると高価だが、それだけの価値は十分にあり、出先での印刷物の色味チェックなど、外出先で色再現性が高いディスプレイを必要とするユーザーにとっては、唯一の選択肢と言える。3年間の日本国内保証が付属するのもプラスだ。
マイナス点としては、今回紹介したASUS DialにしてもVirtual Control Panelにしても、導入手順が非常に分かりづらいことだ。メーカーサイトにはソフトウェアのインストールの順番が書かれているだけで、その後の使い方について日本語の詳しい手引きは存在しない。今回はきちんと動作したが、うまく動かない場合、原因が分からず途方に暮れることも考えられる。
本製品は決して安価ではないだけに、この機能を使いたいがゆえに本製品の購入を検討しているユーザーにとっては、こうした点はどうしても不安を感じさせる。設定から使い方をきちんとフォローしてくれるチュートリアルやFAQ、動画コンテンツの準備は不可欠で、それらが充実すればさらに広くおすすめできる製品になるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.