キーボードはキーピッチが約15mm、キーストロークを約1.5mmを確保している。さすがにボディーサイズが小さいだけに、最近のノートPCのようなアイソレーションタイプのレイアウトとはいかず、キートップは隣接しているのもあって19mm前後のキーピッチと比べると狭く感じる。
それでも、キーストロークも十分にあってキートップを押し下げてもぐらつかず、しっかりとしている。アルファベットキーをタイプする分には、チャットのメッセージやメールの本文など、短い文章をタイプする分にはそれほど苦労はしない。
上部中央にある電源ボタンは、Windows Hello 対応の指紋認証センサーも兼ねている。
ただ、それでも、変則的なキー配置やキートップのサイズ違いなどで多少タイプしづらい箇所もある。特に気になったのが、通常のキーと比べて高さが半分になっている数字キーを並べた段と、キーボード右下に配置された縦長キー群だ。
数値キーの段は、その真上に配置されたファンクションキーと同様の高さ(アルファベットキーと比べて約半分のサイズ)しかない。使用頻度が少ないファンクションキーに比べ、打つ機会が多い数字キー、特に文章でもタイプすることが多い長音のタイプミスは使い勝手に大きく影響した。
同様に、右下に配置されている縦長のキーも、文章入力で多用する句読点のタイプミスが発生しやすく作業中はストレスになった。
なお、ポインティングデバイスは従来のOne-Netbook製品と同様にスペースバーの下に設けた光学式を装備している。その使い勝手は従来と同様で狙った場所をクリックするのになかなか苦労するが、こちらは、ちょっと指を伸ばせばタッチディスプレイに届くので、直接画面をタップすることで快適に操作できる。
本製品の大きな特徴に、標準装備のインタフェースが挙げられる。
左側面にUSB4(USB Type-C)端子を1基、背面に2基のUSB 3.0(Type-A)端子、Micro HDMIに加え、1000BASE-T対応の有線LAN、さらにシリアルポート(RS-232C/D-Sub 9ピン)を備えている。右側面には、microSDカードスロットと3.5mmのマイク/ヘッドホン兼用端子が並ぶ。
個人向け製品において、シリアルポートは“ほぼ絶滅”したといっていい端子だが、本製品のキャッチコピーにある「ITエンジニアのサブPC」としては欠かせない。筆者も 無線受信器を接続する際に重宝している。
従来モデルのOne-Netbook A1は、CPUに第8世代で省電力を重視した“Amber Lake Y”(開発コード名)を採用していたが、A1 Proは同じモバイルノート向けながら、第10世代のIce LakeやComet Lakeと比べても処理能力が向上した第11世代で、かつ、グラフィックスコアにIris Xe Graphicsを組み込んで描画処理能力を高めた“G7”を搭載している。
超小型PCながら、通常のモバイルノートPCと同等の処理能力を発揮できるCPUを搭載したことになるが、それは同時に超小型PCのボディー内部で通常のモバイルノートPCと同等の発熱が起きていることになる。この辺りがどのような影響を与えているのか、ベンチマークテストで細かく見ていきたい。
なお、OSはWindows 11 Homeで、Wi-Fi 6対応の無線LANとBluetooth 5.0を標準で装備する。
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