恒例となっているAdDuplexによるWindows 10/11の最新のバージョン別シェアが更新されているので、その話題に触れつつWindows 11の新機能などについて現時点で出ている“うわさ”について整理しておきたい。
まずはAdDuplexが公開した2022年2月の最新データである「AdDuplex Report for February 2022」をチェックする。
前月の話題に触れなかったため、そちらと生データを比較してほしいが、2022年1月時点で16.1%だったWindows 11の(Windows 10/11における)シェアは19.3%にまで拡大している。
最後にAdDuplesのバージョン別シェアの話題に触れた2021年11月末時点でのシェアは8.6%)であり、以前の推移で「2022年春頃までには20%台に到達する」という予測はほぼその通りとなりそうだ。
なお、今後3割に達した時点でWindows 11の普及ペースはいったん減速し、以後は企業でのWindows 11導入フェイズに入ることで徐々にシェアを拡大していくことになるというのが、現状での筆者の推測だ。
ここで改めて触れておきたいのが、「AdDuplexのデータはどこまで参考になるか」という点だが、世間一般の状況とさほど乖離がないというのが筆者の意見だ。例えばSteamで公開している「Steam Hardware & Software Survey: January 2022」によれば、2022年1月末時点での同プラットフォームのOSバージョン別シェアでWindows 11は13.56%となっている。これはAdDuplexの集計とそこまで離れていないと筆者は考える。
Microsoftはバージョン別シェアなど詳細データを公開していないため、あくまで推測値でしかないのだが、この手のプラットフォームや特定の広告配信システムを使った集計には“偏り”こそあるものの、大枠で実態を反映しているといえるだろう。
ただ、Microsoftの担当者に毎回質問を投げるごとに返ってくる反応から判断する限り、「特に企業利用での実態と少し乖離がある」という感触はある。
例えばWindows XPやWindows 7の延長サポートが間もなく終了するという段階で、両OSのバージョン別シェアについてそれらサービスが公開している数字と、Microsoftで持っているテレメトリのデータを比較した場合、前者の方が“高め”に出る傾向があるようだ。つまり、企業内部で利用されているPCについて、それらのサービスでは多くのデータの“取りこぼし”があることを意味する。
これをWindows 11に当てはめると、おそらく企業内で動作しているPCを含めたWindowsのOSバージョン別シェアでは、Windows 11の数字は「さらに下がる」はずだ。これを示唆する記事もあり、企業でのWindows 11リプレースが進み、本当の意味でバージョン別シェアを増加させていくのは2023年以降のことになるだろう。
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