ゲーム配信だけでなくビジネス用途でも使える! キャプチャーユニット「TUF Gaming Capture Box-FHD120」を試す(2/3 ページ)

» 2022年06月03日 12時00分 公開
[雪城あさぎITmedia]
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細かな設定は「Video Capture Console」を利用

 本製品と連携して使うユーティリティーとして、「Video Capture Console」(Windows/macOS対応)が用意されている。ユーザーインタフェースはシンプルで、左ペインには入出力の音量を調整する「オーディオコントロール」、発光エフェクトを調整する「ライトコントロール」、ファームウェアなどのアップデートが可能な「Live Update」と、使用上の問題をASUSに報告する「診断」のページで構成されている。

TUF Gaming Capture Box-FHD120 「Video Capture Console」の画面。左ペインに項目ごとに整理されている。「製品情報」は製品の各端子の名称が表示される

 「ライトコントロール」では13種類の発光エフェクト+発光オフ状態をUSB Type-Cで接続した場合などで選択でき、発光色もRGBを数値で調整できる。この点はさすがゲーミングデバイスという印象だ。全ての発光をオフにする他にも「既定値」「ユーザー定義」と選択できて自由度が高い。

TUF Gaming Capture Box-FHD120 発光エフェクトの選択画面。ゆっくりと明滅する「ブリージング」や虹色に光る「レインボー」などがある

 ただ、ソフトを使っていると「プレビュー機能や単体での録画機能がない」ところに物足りなさを感じる。UVC(USB Video Class)に準拠しており、PCと接続するだけですぐに使えるなどシンプルで調整も手軽に行える一方で、キャプチャーボードの主機能であろう「録画」「映像表示」といった機能は後述する配信ソフト「OBS Studio」などに任せていて、必要な機能を削ぎ落としすぎている印象がある。

最大フルHD/120fpsで配信を楽しめる

 さて、実際にキャプチャーボードでゲームを表示してみる。先述の通りゲーム画面を表示するにはOBS Studioのインストールが必要で、さらに120fpsで撮影、配信をしたいならOBS Studio側の設定の「映像」から「FPS 整数値」に「120」を入力して120fpsでの配信ができる状態にしておく必要がある。この他、映像を表示するためにリフレッシュレートが120Hz以上のディスプレイも必要だ。

 なお、パススルー映像は最大4K/60fps、フルHD/120fps、PCへの録画は最大フルHD/120fps、720p/60fpsで、従来のCU4K30に比べてスペックダウン(パススルー映像フルHD/最大240fps、キャプチャー映像4K/30fps)の部分もある。

 その他にも、入力映像の画面解像度とストリーミングする画面解像度を自動で同期(最大1920×1080ピクセルまで)するスケーラーを内蔵している。

TUF Gaming Capture Box-FHD120 設定画面で「FPS 整数値」に「120」を入力しておく

 また、120fpsで配信またはアップロードされた動画を視聴できる大手動画配信サイトはYouTubeとニコニコ動画がある。Twitchは2019年の映像機器展示イベント「NAB」にて、「一般ユーザーがAV1コーデックの恩恵(120fpsでの配信/視聴に対応)を受けるのは2024年か2025年」とのロードマップを示している。

 YouTubeにおいても、現状は120fpsでの配信はサポートされていない。ただし高フレームレートで動画を配信/再生することは可能で、視聴にはバージョン25以降のChromeやMicrosoft Edge、Safari 8以降などが対応している。

 OBS Studioでゲーム画面を映す場合、「ソース」の「+」もしくは右クリックメニューの「追加」から「映像キャプチャーデバイス」を選択し、「デバイス」で「ASUS FHD120 Video Capture」を選択する。ここで映像が表示されない場合、著作権保護システムの「HDCP」が無効になっているかをまず確認するとよい。

TUF Gaming Capture Box-FHD120 OBSのプロパティで「デバイス」を選択し、ゲーム機が起動していれば「Video Signal is abnormal」の部分に映像が表示される。他の設定は特に変更する必要はない

 ここまで設定した状態でフレームレート計測ソフト「Fraps」で計測したところ、120fpsで固定されていた。配信後に映像を見返しても、普段の配信と比べて滑らかに映像が表示されていたため、120fpsでの配信は成功したといってよいだろう。映像の乱れや音ズレもなかった。

TUF Gaming Capture Box-FHD120 実際の配信画面。Frapsの計測値(120)が左上に表示されている

 今回、PlayStation 5とNintendo Switchを使った配信を行ったが、そもそもNintendo Switchが120fps出力に対応していない点はともかくとして、環境によってはHDMI端子ハブを使うと映像が表示されなかったり、音ズレが発生したりすることに気がついた。PlayStation 5では映像が表示されず、Nintendo Switchでは0.3〜5秒程度の音ズレが発生していた。なお、テストした映像はこちらだ。

 もっとも、これらは単純にゲーム機とキャプチャーボードを直接接続すれば改善した。複数のゲーム機を1つのディスプレイやPCで扱っている場合は少々不便だが、もし使用していて映像が映らない場合は、設定や接続している機器を見直してみてほしい。

 ちなみにゲーム用途の場合、実際に配信サイトへ映像を配信する側のPCのスペックが足りず、PCゲームを高品質で遊べなかったり、高画質で映像を配信できなかったりする場合がある。こういった際は、配信用とは別にゲームを遊ぶためのPCを用意しておき、遊ぶPCとキャプチャーボードを接続して配信する、ということが可能だ。

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