ANCやマイク性能など、全体的に高いバランスでまとまったイヤフォンだが、唯一、Bluetoothで2台同時接続できるマルチポイントの挙動が気になった。マルチポイントは、例えばスマホとPC、スマホとタブレットなど2つのデバイスに同時に接続できるというもので、PCで動画や音楽を再生しているときに、スマホへの着信にすぐに切り替えるといった使い方ができる便利な機能だ。
ただし、同時に接続できるといっても、どちらのデバイスからの音声も同時に再生できるわけではなく、片方を停止してからでないともう片方の音声は聞こえない。
このマルチポイントでよくある挙動、もしくは期待する挙動と言い換えてもいいが、イヤフォンの電源を入れるとペアリングした2台のデバイスに接続し直されるというものがある。本製品の場合、最後に接続していた(再生していた)デバイスには自動でつながるが、もう1台のデバイスには自動での再接続は行わず、その都度、手動での接続が必要になる。
例えばPCとスマホに接続し、PCでのオンラインミーティングが終わったので1度ケースに戻し、スマホと本製品を持って外出。出先で接続されているつもりで再生を始めると、スマホ本体から大音量で音楽が流れてしまう、といったこともあり得るので注意したいところだ。
バッテリー持ちはANCオンでも約6時間(オフだと約7時間)、充電ケースを併用すれば最大28時間(同約35時間)利用可能だ。充電ケースはUSB Type-Cに加え、Qiのワイヤレス充電にも対応している。ケースのサイズは約56(幅)×50(奥行き)×29(厚さ)mm、重量は単体で実測44g、イヤフォン込みだと約54gと軽い。15分の充電で4時間再生できる急速充電にも対応する。
対応コーデックがSBCとAACのみなのはやや物足りなさはあるものの、1万円台半ばという価格を考えるなら、十分な音質と性能だ。マイク性能の高さも合わせ、これから購入するANC対応イヤフォンとしてお勧めの製品と言っていいだろう。
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