新型MacBook Airの魅力をデザインと性能で読み解くM2搭載新モデルをチェック(2/3 ページ)

» 2022年07月14日 22時00分 公開
[林信行ITmedia]

高解像度カメラ内蔵のノッチは気になる?

Apple M2 新型MacBook Air 画面を淵ギリギリまで伸ばし、1080pのFaceTime HDカメラを搭載したため、画面上部の中央にはノッチと呼ばれる情報表示不可エリアができた。カメラは解像感が増しただけでなく、暗所でも写りがきれいになったが、写り込む角度は従来通りだ。ただし、この秋にリリースされる新OS(macOS Ventura)ではiPhoneをカメラ超広角カメラ代わりに使えるようになる

 まずは本体色だ。今回、レビュー用に貸し出しを受けたのは前人気の高いミッドナイトと呼ばれるカラーである。室内の明かりの下ではメタリックがかった黒色に見えるが、近くで照明を当てたり太陽光の下で見たりすると、少し藍色を混ぜたような濃い青色が浮かび上がる表情豊かな色だ。

 続いて気になるのがノッチだろう。明るい背景などを表示しておくと、横幅が約3cm(約175ピクセル相当)のノッチはそれなりに目立つことは目立つ。ただし、既に発売されているノッチのある14/16インチMacBook Proで、購入者からもそれほど話題が出てこないことからも分かるように、使っていると段々と慣れてきて気にならなくなる。

 そもそも映画などを見る際には、このエリアは真っ黒く塗りつぶされていることが多いし、ノッチで画面の一部が隠れることが困るアプリでは、アプリの画面をノッチの高さ分、表示領域を下にずらす設定がある。

 ちなみに、この状態でもMacBook Air前モデルと同じ広さの表示領域を確保できているので、その点でも困ることはない。ディスプレイ表示で言えば、画面輝度が500ニトと前モデルより100ニト高くなっているのもうれしい改良だ。

 このノッチは、ビデオ会議などで使うFaceTime HDカメラのためにできたものだが、同カメラは1080p画質の撮影に対応(前モデルは720p)して高解像度になっただけでなく、Mac側のAI処理を活用したコンピュテーショナルビデオ技術で暗い部屋でも映像をきれいに加工してくれる。

消えたスピーカーグリルはどこに?

Apple M2 新型MacBook Air スピーカーは、本体とディスプレイをつなぐヒンジ部分に隠されていた。この見えないスピーカーグリルから、驚くような音質と音の広がりを実現している辺りが、Appleデザインスタジオの真骨頂と言える(撮影:林信行)
Apple M2 新型MacBook Air 新たに搭載されたMagSafe 3ポートを使って、Thunderbolt 3/USB4端子を使うことなく本体を充電できる。からまりにくい編み込み式のケーブルとMagSafe 3端子は本体色と合わせた配色に、電源アダプター側は白い樹脂製になっている。なお、上位モデルに付属する電源アダプターは予備のUSB Type-C端子が付属しており、iPhoneやApple Watch、モバイルバッテリーなどの充電に使うことができる。MagSafeにはデータ通信の機能はないので、ここに外付けHDDなどを接続しても認識させることはできない

 製品デザインに興味がある人にとっては、画面の変更以上に興味があるのは消えたスピーカーグリル(スピーカーの音を出す穴)だろう。いったい、どこへいったのだろうか。

 そもそも、スピーカーグリルなしに良い音質が楽しめるのか気になり、Apple MusicやYouTubeにいくつかあるスピーカーテスト用の音源を聞き比べたが、音質は遜色ない。前モデルはスピーカーが2基のステレオスピーカー仕様だったが、新型MacBook Airは新たに2ウェイ4スピーカーを内蔵した。そのぶん、心なしか音に厚みが出ているような気もする。

 6スピーカー搭載で、ノート型で極上の音質を誇る16インチMacBook Proにはおよばず、どちらかと言えば前MacBook Airに近い音質だが、そもそも前モデルからお手頃価格の薄型ノートPCらしからぬ良い音を再現していたので、ほとんどの人を満足させるレベルだと思う。

 新型MacBook Airは、内蔵スピーカーでのDolby Atmosの音楽またはビデオ再生時は空間オーディオにも対応している(前モデルは非対応)。対応コンテンツなら、映画などを見ていても立体的に広がる迫力のサウンドを楽しめる。

 とはいえ、立体音響もノート型Macの強みで、Dolby Atmosや空間オーディオに対応していないステレオスピーカーの前モデルですら、映画に登場するヘリコプターがMacのはるか右側から飛んでくるのが分かる立体的な音場を再現していた。

 これだけの優れた音を鳴らすスピーカーは果たしてどこに隠れているのか。音を絞って、音の源を探してみると、どうにも画面から音が鳴っているように聞こえる。しかし、ボリュームを上げて音を再生しても画面そのものがそこまで大きく振動している様子はない。

 さらに探してみると、何と本体とディスプレイをつなぐヒンジ部分に隠れるようにしてディスプレイ側に向いて開けられたグリルが12個ほど開いているのを発見した。放熱口や無線LAN用のアンテナを兼ねている可能性があり、全てがスピーカーグリルとは限らないかもしれないが、前モデルにはなかった機構だ。

 穴はヒンジ近くの左右に2つ、中央線の左右に4つずつ開いている。おそらく、ここから出た音が1度ディスプレイに反射してユーザーの耳に届いている。

 となると、ディスプレイの開き方に応じて音の反射角も調整しないといけないことになりそうで、かなり調整が大変そうだが、ディスプレイを開き気味/閉じ気味など角度調整しながら音を聞き比べたが、音の広がりが狭くなったり破綻したりすることはなかった。

 ただ、スピーカーが内側に寄ったためか、立体音響の音源によっては音場の左右の広がりが少しだけ狭くなった印象を受けることもあった。

 なお、音を重視するユーザーには、もう1つ注目したいポイントがある。2021年に登場したMacBook ProやMac Studioと同様に、新型MacBook Airも本体右側面に3.5mmのヘッドフォンジャックが、音のプロフェッショナルが使用するモニターヘッドフォンなどに多いハイインピーダンス仕様のヘッドフォンをサポート。対応アプリを使えば、Macのヘッドフォンジャックからアンプなどを介さず、直接、原音に忠実なハイレゾオーディオの再生を楽しめるようだ。

 新型MacBook Airの、もう1つの特徴は、MagSafe 3の採用だろう。ケーブルに足を引っ掛けても、本体や端子に影響がおよばないマグネットで吸着する電源ケーブルは、MacBook Proの上位モデルと同じMagSafe 3仕様でMacBook Pro用のものを使っても充電が行える。

 ただし、付属のケーブルは端子部分がMacBook Airのサイズに合わせて薄型化され、本体色にカラーマッチングがされている。なお、逆側の電源アダプターに差す端子は電源アダプターの色に合わせて白色だ。

 本当は本体色に合わせて、電源アダプターごとにカラーを合わせてくれれば理想だが、さすがにそれをすると在庫管理などの手間が増え本体価格にも影響が出ることを考慮したのだろう。

 付属ケーブルは、最近増えつつある編み込みのケーブルに変更され、こちらも本体色とカラーマッチングしている。従来の樹脂製のケーブルに比べ、からまることが少なく耐久性も高そうだ。

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