無料で使える「Chrome OS Flex」! どの程度使えるのかを試した(1/2 ページ)

» 2022年08月10日 12時00分 公開
[山本竜也ITmedia]

 Googleは7月14日(米国太平洋時間)、2月に早期アクセスとして公開していたChrome OS Flexを正式にリリースした。Chrome OS Flexは、Neverwareがオープンソース版Chrome OSのChromium OSをベースに開発していた「CloudReady」を引き継いで開発されているものだ。Neverwareは、2020年にGoogleに買収されている。なお、CloudReadyは今後、自動アップグレードでChrome OS Flexに置き換えられる予定だ。

Chrome OS FlexのWebページ Chrome OS FlexのWebページ

手持ちのWindowsやMacで動作可能

 Chrome OS自体は単体での配布はされておらず、利用するにはChromebookを購入する必要がある。オープンソースのChromium OSならば自身の手でインストールできるのだが、インストールにはLinux関連の知識が必要で少々ハードが高い。

 その点、Chrome OS Flexは、WindowsやMacにUSBメディアからインストールできるのが特徴だ。Linuxなどの知識がなくても手軽に利用可能なため、WindowsやmacOSの動作が厳しくなってきた数年前の型落ちPCや、Macなどにインストールして再活用できる。というより、むしろこの使い方がメインとなるだろう。新しいハードウェアを用意するのであれば、素直にChromebookやWindowsが動作するデバイスなどを購入した方がいい。

Chrome OS Flexの動作要件

  • CPU:x86-64(x64)アーキテクチャに対応するIntel製またはAMD製のもの(※1)
  • メインメモリ:4GB以上
  • 内蔵ストレージ:16GB以上(USBブートによるトライアル時は不要)
  • その他:USBメモリ(USBマスストレージデバイス)からのブート機能

(※1)2010年以前に登場したハードウェアでは満足に動作しない可能性がある。なお、Intel製CPUに統合されているGPUのうちIntel GMA 500/GMA 600/GMA 3600/GMA 3650は動作パフォーマンスの要件を満たさないと明記されている

 ただ手軽に利用できるとはいえ、Chrome OS FlexはChrome OSのフル機能が利用可能なわけではない。いくつかの制限があるのだが、一般ユーザーにとって最も影響が大きな違いとしては、Androidアプリが利用できない点だ。Chrome OSは、Google Playを利用しAndroidアプリがインストールできるのだが、Chrome OS FlexはGoogle Playが利用できず、Androidアプリもサポートされていない。

USBメディアから手軽にインストールできる「Chrome OS Flex」

 Chrome OS Flexの利用方法は至って簡単だ。インストール手順自体はインストールガイドで詳しく説明されているので簡単に説明すると、Chrome OS、Windows、MacのいずれかでChromeブラウザを立ち上げ、ChromeWebストアから「Chromebookリカバリユーティリティ」をインストールしよう。

 それを利用してChrome OS Flexのインストールメディアを作成する。このときに使う端末は、最終的にChrome OS Flexをインストールする端末ではなく、普段使用しているPCなどで構わない。

Chromebookのリカバリメディアでインストールできる Chromebookのリカバリメディアでインストールできる

 インストールメディアを作成したら、それを利用してChrome OS Flexで使いたい端末を起動する。外部メディアからの起動方法は利用するPCによって異なるが、今回利用したデル・テクノロジーズの13.4型ノートPC「Dell XPS 13(9300)」では、起動時にF12キーを押すとブートメニューが表示され、外部メディアを選択できる。

 なお、Chrome OS Flexのインストールガイドに、一部メーカーの起動キーの記載があるので参考にしてほしい。

テストに利用したデル・テクノロジーズの13.4型モバイルPC「XPS 13(9300)」。第10世代Coreプロセッサを搭載しており、十分現役として通用するモデルだ
Chrome OS Flexのインストールガイドにある、各メーカーの起動キー Chrome OS Flexのインストールガイドにある、各メーカーの起動キーの一覧

 Chrome OS Flexのロゴが表示された後、端末にインストールするか、USBから実行するかを選択する画面になる。WindowsやmacOSなど、今入っている環境を消し、今後もChrome OS Flex端末として利用するなら「Chrome OS Flexをインストール」を選ぶ。

 とりあえずChrome OS Flexの雰囲気や、その端末で動作するかを確認したい場合には「試してみる」を選択する。今回は、「試してみる」を選びUSBから起動した。

インストールメディアから起動すると選択画面が現れる インストールメディアから起動すると選択画面が現れる

 USB経由だからだと思うが、起動までは少々時間がかかった。ただ、起動してしまえば、問題のない速度で動作はしている。正直なところ、通常のChrome OSのように軽快な操作感とは言えないが、これもUSB経由のためだろう。ローカルにインストールしてしまえば、この辺りの問題はある程度解消されるはずだ。

Chrome OS FlexでもChrome OSの最新版が動作しており、アップデートも行える Chrome OS FlexでもChrome OSの最新版が動作しており、アップデートも行える

YouTubeやGmailはもちろんMicrosoft Officeも利用可能

 通常のChrome OSと比べると、Google Playが利用できないため使えるアプリは限定的だが、GmailやYouTube、Googleドライブなど、Google関連のサービスは一通りそろっている。Twitterなども、Webアプリとしてインストールは可能だ。

Google関連のサービスは一通り利用できる Google関連のサービスは一通り利用できる

 アプリとしてのMicrosoft Officeはインストールできないが、GoogleドライブではOfficeアプリも開くことはできる。また、Web版のOfficeアプリは利用可能なので、その辺りで困ることは少ないだろう。

OfficeはWeb版が利用可能だ Microsoft OfficeはWeb版を利用可能だ

 筆者は普段、クラウドストレージの「OneDrive」で写真やドキュメントを管理しているのだが、こちらもブラウザ経由で利用できた。Google Meetもカメラ、マイクをオンにして使うことができるため、オンラインミーティングに使えそうだ。画像や動画編集を行わず、Webや文章中心の使い方であれば大きな問題はないだろう。

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