文房具メーカーであるキングジムが、デジタルメモ「ポメラ(pomera)」の初号機(DM10)を発売したのは、今から14年前の2008年のことである。大きく分けると、ポメラにはキーボードを折りたためる「折りたたみタイプ」と、横長ボディーを持つ「ストレートタイプ」があるが、このほど、ストレートタイプに約6年ぶりの新モデル「ポメラ DM250」が登場した。
約6年前にリリースされた先代「DM200」と比べて、DM250はどこが変わって、どこが変わらなかったのだろうか。じっくり検証してみよう。
この記事内で利用している文章の一部は、筆者が参加するライトノベル作家サークル「七味唐辛紙」の新刊「神様のお話」から引用しています。この新刊は、8月13日の「コミックマーケット100」のブース番号「東地区 O 39a」で配布されますので気になる方は足を運んでみてください。
先述の通り、ポメラには大きく分けて2つの系統がある。1つは、初号機であるDM10からの系譜である折りたたみタイプだ。折りたたみタイプは「DM」の後に1〜2桁の数字という型番を持っている。初号機のイメージもあって、「ポメラといったらこれだよね!」という人も多いだろう。
ただし、その折りたたみ機構はモデルによって異なり、DM10が採用していた「スライドタイプ」、廉価モデルで使われたパンタグラフタイプ」、そして「ポメラ DM30」の「観音開きタイプ」と幾つかのバリエーションがある。
元々、ポメラは「デジタルメモ」として開発されたという。しかし実際には、小説家やライターなど、日頃から普通の人の何倍もの長文をタイプする人たちからの熱狂的な支持を受けた。そのようなヘビーユーザーによる“酷使”にも耐えられるように開発されたのが、「ポメラ DM100」から始まるストレートタイプだ。
ストレートタイプは「DM」の後に3桁の数字という型番を持っている。折りたためなくする代わりに、膝の上でも安定して入力ができる、剛性の高いキーボードを備えた“質実剛健モデル”といってもよいだろう。
しかし、ストレートタイプの最新モデルであるDM200は、2020年3月をもって生産を終了し、「新品で買うなら、販売店の在庫に賭けるしかない」という状況が続いていた。
新しいストレートタイプは出ないのか――そんな期待に応えたのかどうかは分からないが、DM200の発売から約6年、生産終了から2年4カ月の時を経て登場したのが、今回の新モデルであるDM250である。
一般的に、型番は数値が大きいほど上位機種である。つまりDM250はDM200の上位機種ということになる。本当に“上位”なのか、ここからは実際に使って検証していく。
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