ポメラで作成したメモ(テキストファイル)をPCやスマートフォンに移動したい、逆にPCやスマホで書いた原稿をポメラに持ち込みたい、という人も多いだろう。その方法は、いくつか用意されている。
一番分かりやすく、かつ簡単な方法がSD/SDHCメモリーカードを使う方法だ。DM250の左側面にはSD/SDHCメモリーカードスロットがある。ここにSD/SDHCメモリーカードカードを差し込んで、ファイルのやりとりをすれば良い。
やりとりできるファイル形式は「.txt」で、エンコードはShift_JIS、UTF-8、UTF-16(BOM付き)に、改行コードは「CR」「LF」「CR+LF」のいずれにも対応している。プラットフォームを問わずやりとりしやすい。
ただし、先述の通り、エンコードがUTF-8(BOMなし)またはUTF-16(BOM付き)になっているファイルは、DM250では読み込み専用となる。また、DM200/250以外のポメラともファイルをやりとりする場合は「エンコードはShift_JIS、改行コードはCR+LF」に固定しておく必要がある。
DM250の本体メモリに保存してあるファイルをSD/SDHCメモリーカードにコピーしたい場合は、以下の手順で行うのが一番簡単だ。
要するにファイルのコピー&ペーストを行うのだが、ファイルの操作メニューが「ファイル>開く」にあること、画面下部のキー操作説明にファイルのコピーや移動が表示されていないことなど、少しだけ「初見殺し」の面がある。
母艦となるPCを使っている人には、USBケーブルでPCと直結する「PCリンク」をお勧めしたい。
付属のUSBケーブルでPCと接続した後、メニューの「ツール」を開いて「PCリンク」を選択すると、DM250の本体メモリとSD/SDHCメモリーカードスロットがUSBストレージとして認識される。後は、PCのファイラー(Windowsなら「エクスプローラー」、macOSなら「Finder」など)を使ってファイルのやりとりをすればよい。
なお、PCリンクの利用中はDM250を一切利用できなくなるので注意したい。
QRコードを読み取れるスマホやタブレットを使っている場合は、文字列をQRコードに変換して届けるという方法も取れる。
表示できるQRコードは「大」「中」「小」に分かれており、読み取りに使うQRコードリーダー(アプリ)の仕様やスマホ/タブレットのカメラの性能に応じて使い分ける。それぞれのサイズに内包できるテキストのサイズは以下の通り。
伝送に使われる文字のエンコードは、ファイル自体のエンコードとは無関係に「ファイル管理」で設定したものが使われる。
「長い文章を届けたいのだけど」という人は、QRコードの分割表示をすることで対応できる。一般的なQRコードリーダーで読み取れる形式で作成する場合は最大16分割、専用アプリ「pomera Link」(詳しくは後述)でのみ読み取れる「pomera QR」形式で作成する場合は最大999分割のQRコードで表示できる。
一般的な形式の場合は「大」サイズでも最大約9600文字(UTF-8エンコードの場合)しか伝送できない。それに対して、pomera Link専用形式であれば「中」サイズでもDM250のファイルサイズの上限まで文字を伝送できる。
4番目の方法は「アップロード」だ。名前こそアップロードだが、実態はインターネットに接続して、メールを送付するというものである。
DM250は2.4GHz帯の無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)に接続する機能を備えている。これを使ってインターネットに接続し、テキストファイルを「本文」として送付し、すぐに切断する、といった挙動となる。
シンプルな機能だが、メールによる投稿などに対応しているインターネットサービスと連動させればより便利に使うことができるだろう。有名な小説投稿サイト「小説家になろう」もメールによる投稿が可能なので、かなり便利に使えそうである。
最後の方法が、pomera Linkを使う方法だ。pomera LinkではQRコードを使った文章の読み取りの他、DM250を「Wi-Fiアクセスポイント」に仕立てて、本体メモリにあるファイルに直接アクセスして読み書きする方法も用意されている。
QRコードを使う場合は、「大」サイズでも1枚あたり1秒かからずに連続して読み取ることができるので、スマホのカメラをDM250の画面に向けて固定し、ポメラの下キーをポンポンと押してQRコードを次々と読み込んでいけば、50枚程度であればそれほど苦でもない。
しかし、たまに読み込みに時間がかかって、完了する前に次のQRコードを表示してしまうということもあった。一応、漏れがあっても読み込みは続行できるのだが、QRコードの表示は「進む」か「戻る」の2択しかないため、後で漏れたQRコードだけピンポイントで読み込むといったことはできない。指定番号のQRコードにジャンプできるとより効率良く読み込めるだろうと感じた。
長大なテキストファイルを読み込む場合、あるいはQRコードの読み取りにストレスを覚えるという人は、DM250をWi-Fiアクセスポイントに仕立てる方法をおすすめしたい。これなら、スマホ“から”テキストファイルを送り込める。
SD/SDHCメモリーカードを使ったデータのやりとり以外は、いずれの方法も転送中はDM250本体での作業はできなくなる。Bluetoothキーボードとして使うこともできなくなる(そもそもそういう使い方をするものではないと思うが)。
このあたりの仕様は、テキスト編集と他デバイスとの連携を明確に分離させるポリシーの表れのようにも思える。
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