「ポメラ DM250」は最上位モデルにふさわしいのか? 約6年ぶりの新モデルを試す(5/7 ページ)

» 2022年08月12日 17時00分 公開
[瓜生聖ITmedia]
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より大きなファイルに対応可能に

 DM250で作成/編集したテキストファイルは、本体メモリあるいはSD/SDHCメモリーカードに保存される。

 本体メモリ(ストレージ)の容量は約1.3GBと、DM200の128MBから大幅に増量された。加えて、1ファイル当たりの最大文字数も2倍(10万文字→20万文字)となっている。

 ただし、この文字数には「改行」は含まれておらず、1文字で3バイトを用いる「UTF-8」で保存することを前提としている。そのため、実際に保存できる文字数は若干のズレが生じる場合がある。

 筆者が試してみた限りでは、UTF-8では1ファイルのサイズ上限が「64万3バイト(64万バイト+BOM3バイト?)」が上限だった。「文字コードを『Shift_JIS』にすれば大丈夫なのでは?」と思い、このファイルをShift_JISに変換すると、およそ426KBとなった。しかし、変換後のファイルに追記はできなかった。推測になるが、Shift JISコードの文章(ファイル)も内部的にUTF-8コードとして扱っているために、このようなことになってしまったのだと思われる。

 なお、限界ギリギリまで内容が詰まったテキストファイルでも、比較機能を使うと2つ同時に開ける。システムのスペック的には、まだ余裕はありそうだ。

文字数の限界 このファイルでは、20万4403文字を入れた段階で限界となった(水沢夢「女神さまの隣を歩くことになりました。」より)
ファイルサイズ 限界となった時点でのファイルサイズは64万3バイト(約625KB)となった。このファイルのエンコードをUTF-8からShift JISにすると約426KBに圧縮されるが、それでもDM250では文字の追加はできなかった

テキストのコード変換は少し手間

 DM250では、保存する文字コードとしてShift_JISまたはUTF-8(BOM付き)を選択できる。読み取り専用となるが「UTF-16」(BOM付き)やUTF-8(BOMなし)にも対応する。ただし、文字コードの「相互運用性」には若干のクセがある

 設定の「ファイル管理」には「文字コード」という項目がある。これはDM250で新規作成したファイルの文字コードという意味で、既存のファイルは元の文字コードを維持した状態で上書き保存される。ファイルの名前を変えたとしても、それは同様である。

 そのため、Shift_JISからUTF-8、あるいはUTF-8からShift_JISへの変換をDM250単体で行うには、以下の手順を踏む必要がある。

  1. Shift_JIS(UTF-8)エンコードのテキストファイルを開く
  2. テキストを「ctrl+A」で全選択する
  3. 「ctrl+C」でコピーする
  4. UTF-8(Shift_JIS)でテキストを新規作成する
  5. 「ctrl+V」でテキストを貼り付ける
  6. 保存する

 なお、UTF-8にはShift_JISでは表現できない(定義されていない)文字がある。UTF-8にしかない文字を含んだテキストをShift_JISコードで保存しようとすると、警告が出る。警告を無視して保存した場合は、Shift_JISに対応しない文字は自動的に「???」と変換される。この挙動は、一般的なPC向けテキストエディタと同様である。

対応してない文字列 UTF-8で書かれた元ファイル(右)と、コピペした後にShift_JISで保存したファイル(左)」と見比べる。Shift_JISではダブルエクスクラメーションマークは定義されていないため、その部分が半角の「???」に置換されている(助供珠樹「ギンコ」より)

1世代のみながら自動バックアップ機能を搭載

 DM250では本体メモリに「バックアップ」と「ゴミ箱」の領域を確保できるようになっている。

 バックアップ領域は「オートバックアップ」を有効にした場合に使われる。その名の通り、オートバックアップはテキストファイルを上書き保存する際に、保存前の古いファイルを自動で保管してくれる機能だ。保管されるのは1世代のみという制約はあるものの「上書き保存してはいけなかったものを、すぐに元に戻す」という意味では非常に便利な機能である。筆者個人としては、設定で複数世代のバックアップにも対応してほしかった。

 一方、ゴミ箱領域は「ゴミ箱」を有効にした場合に使われる。こちらも名前通りで、ゴミ箱を有効にするとファイルの削除操作をした際に、そのファイルが即刻削除されることはなく、専用領域に移動された上で一定期間保存される。誤って削除してしまった際に、ファイルが完全に失われるリスクを軽減できる。

 バックアップから復元したファイルは、元のファイル名に「_bakX」(Xは連番)が加えられる。ゴミ箱から復元したファイルは、原則として元のファイル名そのままに復元されるが、復元先に同名ファイルが存在する場合はファイル名に「(X)」(Xは連番)が加えられる。いずれにしても、復元操作によって既存のファイルを上書きされる心配はない

 なお、オートバックアップとゴミ箱はSDメモリーカードには対応しない。クリティカルなファイルは、普段は本体メモリに保管しておくと良い。

1世代のみ オートバックアップ機能は1世代のみ対応している。復元操作をすると「_bakX」という名前を付けたファイル名で復元されるが、同一名のファイルがある場合は自動的に「X」の部分の数字を増やして対応するようになっている
復元 バックアップされたファイルやゴミ箱のファイルを復元する場合は、それぞれのタブに表示されたファイルを選択する

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