究極の液タブは55万円! ワコムの新モデル「Cintiq Pro 27」をプロ絵師がレビュー(6/6 ページ)

» 2022年10月12日 12時00分 公開
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まとめ

 すっかり長くなりましたが、まとめていきましょう

気に入った点

  • 26.9型の大画面
  • 設置しやすい狭額縁の本体
  • 高級感があり、質実剛健が伝わってくるボディー
  • 4K/120Hz/HDR/広色域と、高スペックディスプレイに求められる仕様の多くが盛り込まれている
  • 遅延が極めて小さく、120Hz接続の恩恵がある
  • 性能が向上して自分好みにカスタマイズできるようになったPro Pen 3
  • タッチ操作対応で、一般用途でもWindowsが操作しやすい
  • 大幅に軽量化し、扱いやすくなった専用スタンド
  • 追加アクセサリーや工夫の余地を楽しめる拡張用のネジ穴
  • 落ち着いた冷却ファンの制御
  • VESAマウントの標準装備

難点になり得る点

  • ボディーサイズが大きい
  • 内蔵スタンドが無く、単体では設置できない
  • スペックを生かすにはそれなりの高性能PCが必要
  • 静かな部屋では常にファン音が聞こえる
  • 高価
  • Cintiq Pro 16(2017)のような遅いモデルを使いたくなくなる

 といったところですね。

 Cintiq Proシリーズは製品サイクルが長く、大きなモデルチェンジになる本機は、ワコムが考える液タブの次の5年+αを決定づけるデバイスです。ただ妥協がないだけでなく、道具としてクリエイターをどう助けるべきか、時が経ってなお先頭に立ち続けられる仕様とは何かについての、力強い洞察が感じられる内容だと思います。

 従来のCintiq Proは高性能で実用的でしたが、正直なところ、接続仕様やデザイン/スタンド/信頼性など、端々から少しずつ浮ついた感触があり、ユーザーとしてもウォッチャーとしても少しモヤモヤしていました。完璧なデバイスなどは存在せず、Cintiq Pro 27もまた完璧ではないですが、今のところそのようなモヤモヤは感じません。

 本機には往年の「Cintiq 21UX」のような、「高かったけど、がむしゃらに製作している間ずっと支えてくれた、長い戦友だった」と言われるモデルになる予感があります。最終的には多くのユーザーが長い間かけて決めていくことになると思いまが、自分もそれを見ていくのが楽しみです。

ワコム Wacom Cintiq Pro 27 Cintiq 21UXは、2005年に発売されて6年8カ月もの間、ワコムのトップを張り続けました。自分も8年使いました

※記事初出時、ロック機構の部分で誤りがありました。おわびして訂正します(2022年10月12日14時45分)。

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