やっとお楽しみの時間です。実際に描いていきましょう。正直に言うと、いつもの魔女さんの画像でテストした方が自分としては差を感じ取りやすいのですが、どえらいデバイスを借りている役得を味わいたく、趣味絵を描くことにしました。自分はフェルト芯のPro Pen slimが好きなので、Pro Pen 3はグリップ無し+オモリ無し+フェルト芯で使っていきます。
まずはラフからです。サクサク感! 以外の感想が出てきません。
最近まで高リフレッシュレートディスプレイ+板タブを使っていたのですごくは変わらないはずですが、画面に直接描けるデバイスとしては、前期版Cintiq Pro 16の何をやってももっさりする感覚が残っているので、とても気持ちが良いです。
ペンが金属製で剛性感があるのに、鉛筆のように軽いです。これもラフのように素早く色々試す描き方には適していて、発表会でアピールされていた「手が止まらず」「筆が走る」体験を実感できました。
次に線画です。正確性や線質の確認が重要な工程なので、高解像度は役に立ちます。画面サイズや筆圧の許容度にも余裕があるため、難しい線の時には大きく拡大して描いたり、筆圧を高めて摩擦を増やしたりしながら描く方法でやりなおしを減らしやすかったです。
ただし、4Kとはいえ26.9型の大画面(163PPI)は、13型フルHDのノートPCと同程度、悪く言えば平凡な画素密度なので、絵を描く距離で見ればドット感は少しあります。個人的にはもう少し小さい画面で高密度のものを使いたい、というのが正直な感想でした。
次に彩色です。自分は軽いタッチから入ってグラデーションを作っていく筆運びが多いので、Pro Pen 3で改善した低い筆圧への反応が役に立つはずです、と思ったんですが、ずっこけないでくださいね……「急にそんなエクストリーム・フェザータッチを解放されても自分のスキルが足りない」というのが正直な感想でした。
違和感なくサクサク快適に塗れましたが、向上した軽い筆圧をちゃんと使えたかというと、全く自信はありません。また、さまざまな明るさ/色合いを見ましたが、マット処理をした画面で気になりがちな偽色は、(構造上消せないとはいえ)よく抑えられていて、気にすることなく作業を進められました。
といったところで、(お色気を抑えるレタッチをして)完成です。今回の製作の間、冷却ファンの音が急激に変化して集中が途切れるようなことは1度もありませんでした。
ところで実は、画面全体だと大きすぎて使いづらかったのでウィンドウを小さくしていました。自分が1番好きなサイズは22型のようです。
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