Amazonは10月12日、第11世代となる新型Kindleを発売した。Kindleシリーズのラインアップではエントリーモデルとなる、いわゆる無印Kindleだ。価格は広告あり版が1万980円、広告なし版が1万2980円(いずれも税込み、以下同様)となる。
本来なら、前モデル(第10世代)と比べてどう変わったのか、操作感は良くなったのかなどをレビューしたいところなのだが、あいにく筆者の(電子ペーパー端末の)Kindle体験は、2014年発売の第7世代で止まっている。ほぼ毎日、マンガを含めて電子書籍は読んでいるが、スマートフォンかタブレットでの利用がほとんどだ。
そこで、普段電子ペーパーのKindle端末を使っていない人に向けて、新型Kindleの使い勝手などを紹介したい。
Kindle(第11世代)は、6型のE-Inkディスプレイを搭載した電子書籍端末だ。名前の通りにAmazonのKindleサービス専用の端末で、アプリを追加して他の電子書籍サービスを使うといったことはできない。タッチパネルを採用しており、操作は全てタッチパネルで行う。本体にある物理的なボタンは電源ボタンのみだ。
ディスプレイサイズは6型で前モデルと変わらないが、解像度が167ppi(600×800ピクセル)から300ppi(1072×1448ピクセル)へと2倍近く高精細となっている。前モデルを使っていないので比較はできないが、マンガなどの細かい文字も違和感なく読み取れる。また、内蔵ストレージも従来の8GB→16GBに強化された。
液晶や有機ELと違い、自ら発光しないE-Inkは、暗所で利用できないのが難点だが、Kindleはフロントライトも備えているのでその点は問題ない。上位モデルとなるPaperwhiteはフロントライトを17個、Oasisは25個備えているのに対し、Kindleは4個とかなり少ないものの、実際に使用する上では全く気にならなかった。
なお、上位モデルはライトの色調を暖色系に調整できるが、Kindleにはその機能はない。調整できるのは全体的な明るさと新導入のダークモードへの変更のみだ。
第10世代と比べると、サイズは一回り小さくなっており、重さも16gほど軽量の約158gとなった。小さくなった分、ベゼルが狭くなっているはずだが、片手での操作は行いやすい。
専用カバーを装着すると約255gと重くなるが、カバーを開くとすぐにスリープが解除されてロック画面に移行するなど、使い勝手は良くなる。カバーを使わない場合、スリープを解除するには電源ボタンを押す必要があるのだが、これが意外と面倒に感じる。
Kindle(第11世代)で最も大きな変更と言えそうなのが、接続ポートがUSB Type-Cになったことだ。前モデルまではmicroUSBだったが、最近のスマートフォンやタブレットはほとんどUSB Type-Cに移行しており、わざわざKindleのためにmicroUSBケーブルを使う必要はなくなる。
ちなみにUSB Type-Cになったとはいえ、急速充電に対応しているわけではなく、PC経由なら約4時間、出力9WのACアダプターを利用すれば約2時間で満充電になるという。バッテリー駆動時間の目安は、最大6週間となっている。
なお、USB Type-C→Type-Aのケーブルは付属しているが、充電器は別売だ。
電子書籍と言えば、読み上げ機能を利用している人も多そうだが、残念ながらKindleでは利用できない。そもそもスピーカーを内蔵せず、イヤフォンジャックも省かれている。読み上げ機能を利用するなら、わざわざKindleを使わなくてもスマートフォンのKindleアプリで事足りるはずだ。
ちなみに、広告ありモデルの場合、スリープ画面とロック画面に広告が表示される。以前のモデルはホーム画面下部にも広告が表示されていたが、本モデルでは表示されないようだ。
続いて、同時発売となったキッズモデルも見ていこう。
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