先述の通り、LG OLED FlexはフルスペックのHDMI 2.1入力端子を備え、G-SYNCやFreeSync Premiumにも対応し、ディスプレイのリフレッシュレートは最大120Hzと、ゲーミングディスプレイとしての利用にも適している……のだが、数値や対応の有無だけでは語れない、ゲーミング時に便利な機能も幾つか備えている。
動画の視聴時は、大画面で没入感を得たい一方で、ゲーム、特にFPS(一人称視点のシューティング)ゲームやRPS(ロールプレイングシューティング)ゲームでは、大きな画面がかえって視認性を損ねてしまう可能性もある。
そこでLG OLED Flexには画面サイズの切り替え機能が搭載されている。フルサイズ(42型)から「32型相当」「27型相当」のサイズに切り替えることが可能で、表示範囲を狭めることでFPS/RPSゲームにおける視認性を高めることができる。
当然、サイズを小さくすると画面の上下/左右に非表示領域が生まれてしまう。そのことを生かして、「ゲームオプティマイザ」(後述)を使うと、縮小した画面表示を上方向または下方向にオフセット表示できるようになっている。うまく使えば、ゲーム画面を自分の目線に合わせやすくなる。
なお、画面サイズの切り替え機能を生かして、アスペクト比21:9のウルトラワイド表示も可能だ。
ゲームと設定画面の行き来が楽になるような工夫も見られる。それが「ゲームダッシュボード」と「ゲームオプティマイザ」だ。
LG OLED Flexでは、HDMI端子からの映像入力がゲーム関連の信号だと検知すると、自動的にゲーム専用のインタフェースに切り替わるようになっている。この場合、リモコンの曲面変更ボタンは「ゲームボタン」としても機能するようになっており、押すと現在のステータス(画面サイズやフレームレートなど)が表示され、簡単な設定も行える。
表示に関する細かい設定を行いたい場合は、ゲームダッシュボードからゲームオプティマイザを呼び出せる。ゲームオプティマイザでは、映像/音声入力している内容(ゲーム)に応じて変更可能な表示設定を一覧表示するようになっており、変更したい内容をすばやく変えられる。
ゲームの世界にハマりたいのであれば、背面のLEDライトを活用したいと思うかもしれない。「映像同期モード」に設定すれば、映像で表示されている色に合わせて背面ライトの色が変わる。また「サウンド同期モード」を有効にすると、流れるサウンドに合わせたライティングが行わる。どちらもゲームの高揚感を高めるには最適な機能である。
これだけ大きな画面だと「プレイ画面と攻略動画を一緒に見たい!」という人もいるかもしれない。その点、LG OLED Flexは2つの映像ソースを並べて表示する「ピクチャー・バイ・ピクチャー(PBP)」にも対応している。
ただし、PBPの利用時はリフレッシュレートが最大60fpsに制限される他、VRRやALLMも無効となる。動きの早いゲームには不向きかもしれない。
また、LG OLED Flexには、ゲームの効果音と話し声を判別して、声だけをクリアに届けるエコーキャンセリングマイクも搭載されている。ヘッドセットなしでボイスチャットを行えることは、ゲーマーにはうれしいはずだ。
さらに、LG OLED Flexに接続したマウスとキーボードや内蔵マイクを接続中のPCでも使える「スイッチングハブ機能」も備えている。TVのために追加でマウスやキーボードを購入するという余分な出費を抑えることができる。
LG OLED Flexは元々、ゲーム用に開発が始まったという、海外のインフルエンサーたちからのフィードバックを得て、機能満載の製品に仕上がっている。
「ゲームだけではもったいないので、TV視聴など、マルチメディアコンテンツを楽しめる仕様に改良していった」と担当者は語る。主な販路は家電量販店とのことなので、気になる人は実物をチェックしてみてはどうだろうか。
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