自由度は想像以上! PCでも便利に使える20段階で“曲がる”有機EL TV「LG OLED Flex」を体験してみたゲーミングにも最適(1/3 ページ)

» 2022年12月02日 12時30分 公開
[渡辺まりかITmedia]

 LGエレクトロニクス・ジャパンは2023年1月18日、自由に曲げられる42型有機EL TV「LG OLED Flex 42LX3QPJA」を発売する。LG Electronicsが8月31日に発表し、9月2日(中央ヨーロッパ時間)にドイツ・ベルリンで開催された見本市「IFA 2022」で披露した「LG OLED Flex」の日本向けモデルで、税込みの想定価格は44万円程度となる。販売予約は12月1日から受け付けている。

 12月1日、LGエレクトロニクス・ジャパンは報道関係者を対象に、このTVの発表会と体験会を開催した。この記事では、その模様を写真や動画を交えて紹介する。

LG OLED Flex 日本市場での発売が決まったLG OLED Flex

リビングからゲーミングまで幅広く対応できる“柔軟さ”

 LG OLED Flexの特徴は、何といっても平面から20段階で画面の湾曲率を変えられること、つまり画面を“曲げられる”ことにある。最大湾曲率は900R(半径900mmの円の外周のカーブと同じ)で、これを100%とし、平面(0%)から5%刻みで曲率を変更できるようになっている。

 加えて、手動で高さを約140mm、角度を前方に10度、広報に5度調整可能なので、パーソナルな利用シーンにおいて、常にディスプレイが正面に来るように調整しやすくなっている。

動かしている図 画面の湾曲は、ディスプレイの背面に取り付けられたアームが、左右から前後に実現している
チルト 手動だが、画面の高さと傾きも軽い力で調整できる

 LG Electronicsは、2013年から曲面型TVを幾つも発売してきた。その湾曲した画面は近距離で個人が使う分には没入感を高める効果がある反面、“真っ正面”から見ないと「正しい映像」を楽しめないという課題があった。リビングなどに置いて「大人数で映像を楽しむ」という用途には不向きということである。

 そんなこともあり、同社では近年、曲面パネルのディスプレイを主にサイネージ用途として提供していた。しかし「画面の曲率を自由に変えられれば、パーソナルからファミリーまで利用できるのでは?」というアイデアが出たことから、今回の“自由に曲げられるTV”の開発につながったという。

上田さん LGエレクトロニクスの植田景子氏

 LGエレクトロニクス・ジャパンのMarketing TeamでMarketing Communication Part Leaderを務める植田景子氏は、「ゲームを個人でプレイするときには100%の曲率で、息抜きのため、椅子にもたれかかるときには距離に応じて曲率を変更し、就寝時のベッドからなど、遠距離でコンテンツを楽しみたいならフラットにすることができる」と、利用シーンを説明する。

 曲面ディスプレイのメリットは、包み込まれるような没入感を得られることにとどまらない。目とディスプレイとの位置関係において、正面から両端まで“等距離”を保てるため、目のピント調整が減り、目への負担が小さくなるという利点もある。今回の新製品の場合、曲率100%の状態なら画面から90cmの距離が理想的な視聴ポジションということになる。

ゲーミングを例に「曲率100%」の見え方をチェック(椅子に座ってカメラを動かしている)

 画面の曲率の変更だが、「5%刻みで自由に曲げられる」とはいっても、手を使って無理やり曲げることはできない。曲げるには、付属の「マジックリモコン」を使う必要がある。マジックリモコンには最大3つまで曲率をプリセットできるようになっているので、「ゲーム/仕事利用時」「リフレッシュ時」「ファミリー利用時」といった具合にプリセットしておけば、手間なく切り替え可能だ。

 なお、曲率の切り替えには1秒程度の時間が掛かる。もちろん、一気に0%と100%を切り替えるとなると数秒かかってしまうのだが、それでも「待たされている」という感覚はなかった。

曲率変更 マジックリモコンにある曲率変更ボタン。短く押すたびにサッとプリセットされた曲率に切り替えられる

 リモコンなどで電源を切ると、画面は自動的にフラットな状態に切り替わる。そして電源を入れると、最後に設定した曲率に復帰する。

 これ自体は問題ないのだが、筆者が少々気になったのは電源のオン/オフ時に流れる“音”だ。担当者によると「コンテンツ視聴時には(曲率変更に伴うモーターの)駆動音が気にならない一方で、音の出ていない静かな状態で曲率を変えると駆動音が気になるかもしれないので、(あえて)このような音を再生している」とのことである。

 Macの起動時に流れる「ジャーン!」ほど大きな音ではないものの、電源オン/オフの時に驚く人は少なからずいるような予感はする。

リモコンの音,リモコンから電源をオフにして、再度オンにした際の動画。人によっては、電源のオン/オフの音に驚くかもしれない
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