以前と比べると「コロナ禍」は落ち着きを見せつつある。スマートフォンやノートPCを外に持ち出す機会も増えたという人も少なくないだろう。外出が思ったより長引いて「バッテリーが持たない……」と冷や汗をかく機会も増えているかもしれない。
そんな時に役立つのが「モバイルバッテリー」である。先日、モバイルバッテリーを選ぶ上で注目したいポイントを4点まとめた。
一方で、モバイルバッテリーを購入/利用する際に忘れがちなのが「寿命」と「寿命を迎えた際の処分方法」である。スマホやノートPCのバッテリーと同じように、モバイルバッテリーにも寿命があり、寿命を迎えたら適切に処分する必要があるのだ。
しかし「何をもって『寿命を迎えた』と考えればいいの?」「寿命を迎えたモバイルバッテリーはどうすればいいの?」と疑問を持つ人もいるだろう。この記事では、これらの疑問を解消していく。
スマホやノートPC、モバイルバッテリーは、ほぼ例外なく「リチウムイオンバッテリー」または「リチウムポリマーバッテリー」が搭載されている。基本的な仕組みは両者ともに一緒なので、以降はまとめて「リチウムイオンバッテリー」と呼ぶことにする。
リチウムイオンバッテリーは寿命が長い傾向にある……のだが、あることに代わりはない。同じスマホやノートPCを2〜3年使っていると「あれ、買った時よりバッテリーの持ちが悪いな……」と感じることがあるが、これがまさにバッテリーの寿命が近づいていることのバロメーターなのだ。
モバイルバッテリーもこのことは同様で、他のデバイスに給電(充電)できる時間が短くなってくると、内部のバッテリーが寿命に近づいているということを意味する。
リチウムイオンバッテリーには「充電サイクル(サイクルカウント)」という概念がある。これはバッテリーの満充電容量を充放電した回数を示すもので、例えば満充電容量が5000mAhのバッテリーであれば、5000mAh分の充電と5000mAh分の放電を行うと「1サイクル」と数える(参考記事)。
一般的に、リチウムイオンバッテリーの寿命は300〜500サイクルとされている。Windows 10/11やmacOSで稼働しているノートPCでは、充電サイクルをチェックする方法が用意されている。
iPhone/iPadや一部のAndroidスマホ/タブレットでは、バッテリーのサイクルカウントの代わりに定格(≒新品時)の満充電容量と比べた場合の満充電容量をチェックできる。定格容量と比べる場合は、一般的に50〜80%の容量にあると寿命とされている。iPhone/iPadの場合、定格容量の80%になるとバッテリーの交換を促すアラートが出てくる。
……と、話がそれそうになったが、モバイルバッテリーには充電サイクルや満充電容量の比率を表示する機能はない。スマホ/タブレットやノートPCと比べると、モバイルバッテリーは充放電の頻度は少ないため、想像以上に長持ちはする。しかし、寿命と“無縁”ではいられない。
目安としては、iPhone/iPadや一部のAndroidスマホの基準を準用して、新品の時の7〜8割程度の容量(時間)しか充電できなくなったら買い換えを検討するようにしたい。モバイルバッテリーを使った回数を覚えているなら、500回くらい使ったら買い換えると考えればいいだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.