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法人向け事業をさらにブースト! サードウェーブがドスパラプラスでワークステーションを展開する理由(1/3 ページ)

» 2023年04月24日 15時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]

 4月19日、サードウェーブは東京都千代田区にある本社内で「ドスパラプラス新製品発表会 2023 春」を開催した。

 その中で、ドスパラの法人向けブランド「ドスパラプラス」(Dospara plus)において、AI開発や4K/5Kの映像処理に適したデスクトップワークステーションなどの新製品を発表、法人向け事業にも注力していくという事業戦略に加え、NVIDIAと新たに結んだパートナーシップなどの内容が語られた。

ドスパラプラス新製品発表会 2023 春 「ドスパラプラス新製品発表会 2023 春」が同社本社にて開催された

法人市場に注力していきたいサードウェーブの意気込み

 開会のあいさつに登壇したサードウェーブ 代表取締役社長 兼 最高執行責任者 尾崎健介氏は、開口一番で「この発表会で一番伝えたいのは、サードウェーブとして法人事業にさらに力を入れていく、ということだ」と述べた。

サードウェーブ 代表取締役社長 兼 最高執行責任者 尾崎健介氏 サードウェーブ 代表取締役社長 兼 最高執行責任者 尾崎健介氏

 そのため、インテル執行役員だった井田晶也氏を招聘(しょうへい)し、2023年2月1日付けで同社 取締役 兼 上席執行役員副社長とした。

 尾崎社長は「昨今騒がれている“AI”を回していける、高性能なGPUを搭載したワークステーションなどの投入を始め、営業やマーケティング面からも、法人事業に力を入れていきたい。今後、需要の増えるAIシステムやソフト、データセンターといったソリューションをサポートするハードウェアをDospara plusブランドで販売していく」と決意を述べた。

 続けて登壇したのは、副社長に就任したばかりの井田氏だ。

 井田氏は「コロナ禍がある程度沈静化し、人がオフィスに戻ってきた。これからは再度、法人でのデスクトップの需要が増えるだろう」と述べてから、尾崎社長の話を引き継いでAIにも言及した。

 「AIが爆発的な加速を見せている上に、3月にはChatGPTでもGPT-4が発表された。これにより、自然言語での命令が可能になり、AI利用のハードルが低くなった。今後は、AI利用の民主化につながっていくだろう」と語った。

 そして「それに伴って予想されるのが、AIの開発やAIでの検証ニーズの増加だ。それに対応すべく、AIの開発/検証/推論を可能にするNVIDIAの高性能GPU、RTX AシリーズやTシリーズを搭載し、インテルのXeonスケーラブルプロセッサを搭載できるフラッグシップとなるワークステーションを筆頭にしたデスクトップ製品を今回、発表する。これを皮切りに、これまで力を入れてきたゲーミングやクリエイター向けに加え、法人市場にも積極的に製品展開をしていきたい」とまとめた。

NVIDIAとのパートナーシップ締結も

 サードウェーブでは、以前からNVIDIA製GPUを搭載したPCの製造と販売を行ってきたが、今回、そのタッグをさらに強力なものとすべく、2023年4月にパートナープログラム「NVIDIA パートナーネットワーク」をNVIDIAと締結した。

 これは、NVIDIAが優先的にサードウェーブに部品を供給するといった意味合いを持つわけではなく、サポートやサービスの提供、共同でマーケティング活動などを行うことで、両社のビジネスをより加速していくというものだという。

 本発表会にも、エヌビディア合同会社 プロフェッショナル ビジュアライゼーション ビジネスデベロップメントマネージャー 高橋想氏が登壇し、ジェネレーティブAIやChatGPTといったAIの領域でのGPU利用を推進していること、コンシューマー向けゲーミングGPUをサードウェーブが多く販売してきたが、今回はワークステーション向けGPUのRTX(旧Quadro)の販売も加わったことで、パートナーシップの締結に至った、という経緯を説明した。

高橋想氏と井田副社長 「NVIDIA パートナーシップ」を締結したNVIDIAの高橋氏とサードウェーブの井田副社長が握手を交わした。今回はAmpereアーキテクチャのGPUが中心だが、今後はAda Lovelace世代も提供していく予定とのことだ

 続いて、新モデルの詳細を見ていこう。

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