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「ビデオコミュニケーションだけではない」──ハイブリッドワーク時代にZoomが取り組むアレコレを聞いてきた(2/4 ページ)

» 2023年05月01日 12時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]

デジタルニッポン

 日本国内の労働人口は、2020年までに現在の7000万人から5000万人まで減少すると言われている。実際、地方自治体では深刻な人手不足に陥っており、行政機能へのアクセスを容易にする支所サービスを維持できていない地域もあるという。

 下垣氏は、「TVのリモコンを容易に扱える高齢者たちが、行政サービスやショップにオンラインでアクセスできるようになる世界観を考えている」と言う。「それをサポートするために、行政サービスのDX化、それを作るDX人材の育成などでお手伝いをしていきたい」と付け加えた。

グローバル化

 国外から売上を得るためにも、グローバル化は避けられない。また、イノベーションをもたらす新しいリーダーを得るには、国外人材に目を向ける必要もある。

 しかし、それを行おうとするときに避けられないのが「言語の壁」だ。もちろん、時間や文化という壁もある。

 「Zoomでは、既にMeetingや電話、翻訳機能を使って支援をしている」と下垣氏。「我々の事業は、パンデミックに対応するためのツールではなく、新しい社会観、もしくは世界観を築いていくための手段なのだ」とした。

1つのプラットフォームでコールセンターまでカバー

 キーノートの中で、下垣氏はKDDIとの協業についても触れた。クラウド型電話サービス「Zoom Phone」にクラウドピアでKDDIのクラウド音声網に接続することで、オンプレミスのPBXなどを使わず固定電話のように使える「Cloud Calling for Zoom Phone」を2023年2月21日に発表した。

 簡単にいえば、これまで使っていた会社や部署の代表電話番号をそのままクラウド型の電話サービスで使えるというものだ。PBXのメンテナンスをする必要がない上に、従業員のスマホへ着信できるため、オフィスの座席に縛られない働き方が可能になる。

Cloud Calling for Zoom Phone Cloud Calling for Zoom Phoneの概要

 顧客とのコミュニケーションツールの1つであるZoom Phoneについては、デモを交えて紹介された。

 デモ内容は、Zoomの使い方で分からないことが出てきてしまった社員と、入社してから1週間しか経っていない社内ヘルプデスク、そしてヘルプデスクマネージャーが登場。使い方で困っているZoomの画面から、ヘルプデスクへ電話をかけるところから始まった。

 その中では、

  1. 自動音声が流れ
  2. 対応しきれなくなった新米ヘルプデスクにマネージャーが「ウィスパリング」で的確に指示を与え
  3. 社内ユーザーの画面を共有して問題を解決

 する様子が披露された。

 「通常、音声自動応答システム(IVR)の設定は、外注する必要がある。しかし、Zoomコンタクトセンターでは、自分たちで構築できる」と下垣氏。また、「三者間通話機能を使って、マネージャーが会話を把握しつつ、新米ヘルプデスクにだけ話しかけられるウィスパリング機能があるから、経験のある担当者だけに負担がかからないよう、スキルの平準化を実現する」と付け加えた。

Zoom Experience Day ZVC JAPAN 昨今話題になっているAIなど新しい技術を、1つのプラットフォームに集約して、一人一人を幸福な世界へと導きたいとした

 「数十年前は、音楽再生/TV/電話/ゲーム/写真撮影などそれぞれに専用機があった。しかし今ではスマートフォン1台に集約されている。私たちは、コミュニケーションを取るためのツールをZoomという1つのプラットフォームに集約した。従業員とも、顧客ともコラボレーションするのに、Zoomという1つのプラットフォームを使っていただくことで、ハピネス/幸福度を向上させられる、幸福な世界へと導けると考えているのだ」と下垣氏はまとめた。

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2024年05月09日 更新
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