ではまとめていきましょう。
Xencelabs ペンディスプレイ24は、長らくワコム以外に存在しなかった真のハイエンド液タブに仲間入りする1台です。質感や性能など、ほとんどの点でハイエンド機にふさわしいものになっており、豊富な付属品やファンレスの冷却機構など、コスト感や初期設置の容易さ、快適性の面で競合を上回っています。
一方で、斜めに見たときの色変位や遅延などの弱点も残しています。約30万円のプライスタグに対して若干の妥協を強いられるのも確かで、「完全なるCintiq Pro 24キラー」とまでは言えません。また、Windowsでは広い用途で操作性や作業効率の改善に役立つタッチパネルも、搭載の選択肢がありません。この価格・このサイズの機材にデスクを占拠させておくとして、「ペンを使っている間が快適ならそれでよし」と言えるかどうかは好みの別れるところでしょう。
また、公式ストアが返品サービスに対応しているのも見逃せないポイントです。日本にいると「そんなバカな」と思うかもしれませんが、気に入らないというだけで返せるのは欧米ではわりとよくある制度で、国内でもAppleやGoogle、Boseなど、さまざまな企業が返品サービスを提供しています。
よく検討して買っても、予想外にどうしても合わないポイントが見つかることはあるものですし、特に慣れないブランドの購入検討では助かる制度です。本気で欲しくなったなら恐れずに検討していくのが良いのでは、と思います。
この時世で、ブランドとして初めての分野の機材を作り上げて発売するのは、開発自体も、コスト面も、大変な苦労があったと想像できます。まずは作り上げて発売してくれたこと、5年のハンディがあるとはいえ、王者ワコムの製品といい勝負ができる出来になっていることに感謝して、今後のモデル展開にも注目していきたいと思います。
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