こんにちは! イラストレーターのrefeiaです。今回は、ついに現れた大型ハイエンド液タブである米Xencelabs Technologiesの「ペンディスプレイ24」(XMPD24US)を見ていこうと思います。Xencelabs(センスラボ)は2021年に板タブが登場した時から注目していましたが、自分が使いたいカテゴリーの製品が出ていないこともあって試用する機会は持たずにいました。
そこから2年待って現れたペンディスプレイ24は、24型で4K、仕様面でも価格面でもワコムの「Cintiq Pro 24」と直接競合するモデルです。ディスプレイ製品が初めてだからといって妥協しない、うちは上位機を作る、という意気込みが表れていて期待が高まる一方、初めてでどこまで完成度を上げられるのかにも興味がわきますね。
今までは妥協なく24型液タブを選ぶと、Cintiq Pro 24しか選択肢がありませんでしたが、発売から約5年経っており、今となってはやや古いモデルになってしまいます。そこに現れたペンディスプレイ24は新たな王者になれるのか、それとも……?
執筆時点で発売日は6月23日予定とのことですが、一足先に見ていきましょう。
まずはXencelabs自体を少し見ておきましょう。
Xencelabsは新興のペン・タブレット製品メーカーで、2021年に板タブで市場に参入しました。「ワコムの元社員が開発に参加している」というニュースが話題になったことを覚えている人もいるでしょう。
また、Xencelabsは中国Hanvon Ugeeの子会社で、自分が何度かレビューしたメーカー「XPPen」も、Hanvon Ugeeの子会社です。つまりAmazonなどでペンタブを探していると見かける「XPPen」「Ugee」「Xencelabs」は同じ会社の別のブランドということになります。意外ですね。
ならばXencelabsの製品はXPPenなどと同じかというと、そうではありません。Xencelabsは米国に開発拠点があり、「製品と技術は共有していない」と主張しています(実際にペンを使ってみれば、その通りだと分かります)。
次に、ペンディスプレイ24の特徴を見ていきましょう。本機は以下のような仕様を訴求していて、ハイエンドモデルに求められる仕様を一通り備えています。
残念ながらタッチディスプレイのモデルはありません。価格は公式ストアで29万8000円(税込み、以下同様)、執筆時点のCintiq Pro 24(タッチ非対応モデル)の実勢価格とほとんど同じで、直接競合しています。
ただし、Cintiq Pro 24は角度調整できない内蔵スタンドのみ、VESAマウント非対応(オプションで対応)、ペンは1本しか付属しないので、そのコストの分、こちらが優勢になります。
それでは早速、本体からチェックしていきます。シンプルかつソリッドで、美しいボディーです。前面は一枚板のアンチグレアガラスで覆われていて、隙間に皮膚の汚れやホコリがたまる心配はありません。
上下/左右にアクセサリー差し込みスロットが2個ずつあり、ペンホルダーを装着することができます。スリムペン用のホルダーがちゃんとあるのは偉いですね。そして、下面のスロットにはゴム足が装着されています。つまりゴム足を横に付け替えられるので、その気になれば縦置きもできそうです。メーカーが想定しているかまでは分からず、今回は試しません。
裏面はVESAマウント穴とスタンド、端子類です。端子類は液タブでは珍しい下の方からの垂直出しで、「これは深く倒したときマズくないか?」と一瞬思いますが、ケーブルがL字プラグなので大丈夫です。
また、本体上面にはUSB Type-A端子が2基あり、クイッキーズリモートのドングルや一般的なUSBデバイスを接続できます。
接続方式は、ACアダプター/USB/映像(HDMIまたはDisplayPort)の3本、USB Type-Cポートからの映像出力に対応したPCならば、電源とType-Cの2本で動作させることができます。総じて見た目もよく、一般的なケーブルを使いづらいデメリットこそあれ、付属のケーブルを使う限りは起こしても寝かせてもケーブルが邪魔になりにくい、優れた接続仕様だと思います。
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