本製品は、アクティブノイズキャンセリング(ANC)にも対応している。効きの強さを調整することはできないが、「適応型(アダプティブ)」「標準」「オフ」を設定できる。
試用した範囲ではアダプティブと標準の違いが分からなかったが、名称的にはアダプティブでは周囲のノイズレベルに応じてANCの強さが調整されるのだろう。効果はかなり高めで、すぐ隣で3Dプリンタを動作させても気にならなくなる。
また、周囲の音を確認できるトランスペアレントモードでは、「環境」と「スピーチ」が用意されている。こちらも、スピーチでは人の話し声をより聞き取りやすくなるようだ。駅や電車内でのアナウンスを聞きたい場合には便利だろう。
Voyager Free 60+ UCのアピールポイントともなっているオンライン会議でのマイク性能に関しては、1人でZoomを利用し自分の声を録音してみたところ、変にこもったりすることもなく、非常にクリアに聞くことができた。
話しているすぐ隣で3Dプリンタを動かしてみたが、その音が会話に入ることもなく、周囲の環境音は全くと言っていいほどに気にならない。非常に通話向きのイヤフォンと言えそうだ。
音楽再生時の音質については、ややフラット気味で低音の迫力に欠ける印象がある。反対に中高音は非常にクリアで、特に女性ボーカルは聞きやすい。また、イコライザーの設定はアプリからバス/フラット/ブライトを選べるが、最近の製品では少な目だ。このあたりは、企業向け/会議向けを意識した結果なのかもしれない。
なお、コーデックはAAC/aptX/SBC/mSBCに対応。付属のBluetoothアダプター(BT700)を利用する場合には、LE Audioの必須コーデックでもあるLC3に対応する。最大8台の機器のペアリング情報を記憶でき、2台同時接続のマルチポイントも利用可能だ。
ちなみに、本製品はBluetooth 5.3に対応しており、対応プロファイルはA2DP/AVRCP/HSP/HFP/SPPとなる。
Voyager Free 60+ UCの最大の特徴が、ディスプレイを備えた充電ケースだ。このディスプレイはタッチパネルに対応しており、バッテリー残量の確認やメディアの再生/停止、ボリューム調整、ANCとトランペアレントモードの設定変更などが行える。
詳しくは後述するが、スマートフォンやPCアプリの操作性があまり良いとは言えないこともあり、基本的な操作はこの画面で行った方が快適だ。またQi認定のワイヤレス充電も行える。
イヤフォンの充電ケースとしては、サイズが約72(幅)×54.5(奥行き)×33.1(厚さ)mmと大きめなのが難点ではあるが、PCで利用するBT700 Bluetoothアダプターを収納しておくこともできる。
このアダプターだが、PCで側からはUSBオーディオとして認識されるので、個別にペアリングを行う必要がない。アダプターを別のPCに挿し替えるだけですぐに利用可能だ。なお、アダプターを使わずにPCと直接Bluetoothでペアリングすることもできる。
また、このケースはBluetoothトランスミッターとしても利用可能だ。Bluetoothが使えないデバイスでも3.5mmオーディオ出力があるなら、付属のケーブルを使ってケースに接続しイヤフォンで再生できる。
デュアルステレオへの変換アダプターが必要になるかもしれないが、飛行機のなどでも利用できるだろう。また、最近はBluetooth非対応のデバイスは少なくなってきたが、昔の携帯ゲーム機で遊ぶような場合にも使えそうだ。
最後に専用アプリの使い勝手をチェックしよう。
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