最後に、専用アプリについても触れおこう。専用アプリ「Poly Lens」はiOS、Android版だけではなく、macOSとWindows向けにもリリースされている。
バッテリー残量の確認やファームウェアアップデート、各種設定を行うことができるのだが、他社のアプリであるようにグラフィカルなUIで簡単に設定できるというものではない。バッテリーの残量表示こそトップ画面で簡単に確認できるが、各種設定はメニューから設定画面に入り行う必要がある。
正直なところ、ANCのなどよく使う機能は、設定画面に入らなくても操作できるようにしてほしいところだ。とはいえ、これらの設定は充電ケースからも行えるので、アプリを触る必要自体ほとんどない。
アプリ自体はVoyager Free 60シリーズ専用のものではなく、Poly製品汎用(はんよう)のものだ。Polyはもともと企業向けソリューションを主に手掛けていたこともあり、今回は試せていないが、IT管理者がデバイスを一括管理できるような仕組みもあるようだ。このため、アプリもユーザーが個別に操作することは、あまり考えていないのかもしれない。
本製品は同社の直販サイト「HP Directplus」では扱われず、代理店経由での販売(オープン価格)となるようだ。ただ、6月以降に型番違いのコンシューマー向けモデルがAmazonで発売される見込みだという。
ちなみに想定価格は、本製品相当モデルが4万1500円、Voyager Free 60 UC相当モデルが3万4000円、Voyager Free 60相当モデルが2万9500円(いずれも税込み)の見込みだ。原稿執筆時点での米HPのWebサイトでは本製品が329.95ドル(約4万5000円)で販売されていた。
音楽向けのイヤフォンとしてみると、ハイレゾにも対応しておらずイコライザーの調整も少な目で割高感があるのは確かだ。ただし、音楽向けではないとは言え音質的には十分で、通話品質も良好である。付属のBT 7000 Bluetoohアダプターは、煩雑になりがちなBluetoothのペアリングを意識しなくていいという点でも、非常に使い勝手がいい。標準保証が2年間と長いのもポイントだ。
また、スマートフォンをいちいち取り出す必要がなく、ほとんどの操作や設定を行える充電ケースも魅力的である。JBL TOUR PRO 2の充電ケースを見たときもこの手があったかと感心したが、この便利さはぜひ1度体験して欲しいと思う。
※記事初出時、「イコライザーの設定ができない」との記述がありましたが、誤りでした。おわびして訂正します(2023年5月18日午後3時30分)。
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