Synology(シノロジー)といえば、日本でもNASやネットワーク機器で知られるメーカーだ。同社は今回、COMPUTEXのメイン会場である「台北南港展覧館(TaiNEX)」ではなく、地下鉄(MRT)で1駅隣の南港駅近くにある展示場に「プライベートブース」を作って展示を行っていた。
同社の展示で特に目を引いたのが、NAS上で動作するオンプレミスメールソリューション「MailPlus」のAI(人工知能)ベースのメール自動生成機能だ。
この機能はOpenAIの「ChatGPT」をベースに開発されたといい、送信するメールの目的をプルダウンから選択するか短文で入力すると、それに見合った本文を自動生成してくれる。届いたメールへの返信についても、AIが自動生成できる仕組みが用意されている。
一斉送信機能やメールのフィルタリング機能にもAIを活用しているという。例えば一斉送信時は、送信相手ごとに生成文章の一部(具体的には宛名)を変えるという器用さも備えている。
なお、AIによる自動文章生成機能は、DSM(DiskStation Manager)上で稼働するオフィスイート「Synology Office」にも実装予定とのことだ。
会場では「BeeDrive」という個人向けUSB 3.2 Gen 2 Type-C接続SSDが展示されていた。サイズは約65(幅)×65(奥行き)×15(高さ)mmと非常にコンパクトで、容量は1TBと2TBの2種類を用意している。6月の発売を予定しており、価格は1TBモデルが4499台湾ドル(約1万8000円)、2TBモデルが6999台湾ドル(約2万8000円)だ。日本での発売も予定されている。
Synologyによると、BeeDriveは「エントリー向けのNASとほぼ同じデータバックアップ機能を備えている」という。Windows/macOS(※1)には「BeeDrive Desktop」、iOS/Android端末には「BeeDrive Mobile」というアプリが用意されており、これらのアプリをインストールしたPCやスマホにBeeDriveを有線でつなぐと、指定されたフォルダーにあるファイルを自動的にバックアップしてくれるという。
(※1)macOSは対応予定(発売当初は非対応の可能性あり)
BeeDrive Mobileは、Wi-Fi(無線LAN)経由でのデータバックアップにも対応している。BeeDriveをつないだWindows PC/Macと同じWi-Fiネットワークに接続した上で、BeeDrive Desktopが表示している二次元コードをBeeDrive Mobileで読み取るだけでOKだ。
転送するデモを見せてもらったのだが、反応はとても高速である。瞬時にスマホからPCへ写真が転送されていくのが分かった。
キオクシアのブースでは、開発中のパーソナル(個人)向けM.2 SSD「EXCERIA PLUS G3シリーズ」が参考展示されていた。
EXCERIA PLUS G3シリーズは「速度を求める人向け」とされるPCI Express 4.0接続のM.2 SSDで、ゲーミングPCやハイエンドデスクトップPCに搭載される想定で開発されたという。公称の最大シーケンシャルリードがは毎秒約5000MBで、前世代製品「EXCERIA PLUS G2シリーズ」と比較して電力効率が最大約70%向上しているという。登場が楽しみである。
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