台湾・台北で久しぶりにリアル開催された「COMPUTEX TAIPEI 2023」が、6月2日に閉幕した。最終日まで、会場は多くの人であふれかえり、やはり「リアル開催」には意味があるのだなと再確認できた。
この記事では、筆者が回った中で気になった企業ブースを紹介していこうと思う。
Palit Microsystemsは、台湾を拠点にするグラフィックスカードのメーカーだ。同社製のグラフィックスカードは、日本ではサードウェーブのPCショップ「ドスパラ」が独占販売している。
今回のCOMPUTEXにおいて、同社はGeForce RTX 40シリーズを搭載するグラフィックスカードを一堂に並べて展示していた。
ブース展示されていたカードのブランドは「GameRock」「GamingPro」「Dual」「JetStream」「StormX」の5つだが、同社的にはそれぞれの役割は以下の通りだという。
なおGamingPro/Dualシリーズの製品は、トップカバーを3Dプリンタで自作できる「Maker」という仕組みに対応している。元になるデータはWebサイトで公開されているので、3Dプリンタさえ持っていればカードを自分好みのデザインに変更可能だ。
先ほども述べた通り、Palitのグラフィックスカードは日本ではドスパラの独占販売となっている。PC USERの読者の中には「え、そんなメーカーあったのか……」と思った人もいるはずだ。
なぜ、Palitのグラフィックスカードはドスパラ独占なのか――会場にいたマーケティング担当者に聞いてみたところ、「製品を多く販売してくれるサードウェーブはよきパートナーとして満足しており、この5年間の関係はとてもよいものになっている」とコメントした。
両社の信頼関係が、日本での独占取り扱いにつながっているのだろう。
QNAPはCOMPUTEX TAIPEI 2023の会場にデモブースを設置し、新製品を含むさまざまなNASを展示していた。
個人的な目玉は、Ryzen 7 7700(3.8GHz〜5.3GHz/8コア16スレッド)を搭載する法人向けの新型NAS「TS-h3077AFU」だ。
QNAP製品に詳しい人は察しが付くかもしれないが、このモデルはオールフラッシュモデルという位置付けで、最大で30基の2.5インチSerial ATA SSDを搭載できる。本体には10GBASE-Tポート×2、2.5GBASE-Tポート×2を搭載している他、PCI Express 4.0スロット×3にネットワークカードを装着すれば、25Gbpsイーサネットにも対応できる。QNAPとしては初めて、PCI Express 5.0対応の内蔵M.2ストレージスロットも備えている。
なお、このモデルの兄弟機として、3.5インチHDDにも対応する12ベイモデル「TS-h1277AXU-RP」と16ベイモデル「TS-h1677AXU-RP」も登場する予定だ。
もう1つの注目製品が、法人向けオールフラッシュ5ベイNAS「TBS-574TX」だ。このモデルはQNAP NASとしては初めてE1.S SSDに対応したことが特徴で(M.2 SSDも搭載可能)、高速なデータのやりとりを行うためにThunderbolt 4ポートも備えている。CPUは第12世代Core i3プロセッサ(8コア12スレッド/最大4.2GHz)で、メモリは8GBを備える。
会場では、「AI画像認識」や「スマート監視」に特化した設計の法人向け6ベイNAS「TS-AI642」を使った監視カメラソリューションも展示されていた。
TS-AI642はAIプロセッサ(NPU)を搭載するArmベースの8コアSoCを搭載しており、NPUによって高速なAI処理を行えることが特徴だ。4K出力対応のHDMI端子×2と2.5GBASE-Tポートを標準で搭載しており、PCI Express 3.0スロットにネットワークカードを装着すれば10Gbpsイーサネットにも対応できる。
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