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“自炊派”が7型電子ペーパー端末「BOOX Page」を試す 読書ワークフロー構築のススメ「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(1/4 ページ)

» 2023年07月20日 15時00分 公開
[石黒直樹ITmedia]

 皆さんこんにちは。石黒直樹と申します。私は電子ペーパー端末が大好きで、昔からたくさんの製品を購入しています。この度、電子ペーパー端末の雄である中国Onyx Internatinalの「BOOX」シリーズから、外出先で使う読書端末として最適な7型ディスプレイ搭載の新製品「BOOX Page」が発売されました。

 電子ペーパー好きとしては目が離せず、早速入手しました。実際に使い込むことで、その実力が見えてきたのでレビューをお届けします。

photo 洗練された電子ペーパー「BOOX Page」

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著者:石黒直樹(いしぐろ なおき)

ITコンサルを手掛ける(株)グロリア代表取締役。15年勤めた前職の野村総合研究所では、高い品質が求められる金融系システムを担当。大規模プロジェクト、開発、保守、運用など、情報システムに関するさまざまな経験の他、マネジメントや要件定義、システム設計、プログラミングといった知識も持つ。現職では大企業、中小企業、個人事業主と規模を問わず、自身のノウハウ全てを使って企業や組織のITを支援している。大のガジェット好きで、常に仕事にうまく生かせないものかと考えてしまう癖がある。モットーは「神は細部に宿る」。2児の父。主な著書に『情シスの定石』(技術評論社)。連載:「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記


基本性能アップでレスポンスの改善を実感

 BOOX Pageは、カスタマイズ可能なページめくりボタンを搭載していたり、OSにAndroid 11を採用していたりする電子ペーパー端末です。

 私は前モデルにあたる「BOOX Leaf2」(2022年11月発売)を使っていました。約8カ月で新モデルが出るのは早すぎる気もしますが、より良いものが出たとなれば気になってしまいます。

 BOOX PageはBOOX Leaf2の基本性能を引き上げたバージョンアップ版で、外観は同じです。CPU、メモリ、ディスプレイ、バッテリーのスペックが引き上げられています。逆に言えば、基本的にできることは変わりません。

 Google Playが使えるので任意のAndroidアプリをインストールできます。アプリが用意されている、ほぼ全ての電子書籍サービスに対応しているといえるでしょう。Google Chromeなども使えるので、Webブラウザで読むタイプでも使えます。ただし「dブック」はログインができず、利用できないと公式サイトに特記されています。必ずしも全てが動作するわけではないようなので注意は必要です。

photo 電車で立ちながらでも軽々と読めるサイズと重さ

 実際に使ってみると、確かに細かな動作レスポンスが向上しています。BOOX Leaf2の使い勝手は気に入っていたのですが、ページめくりや表示のレスポンスが悪くストレスになっていました。BOOX Pageでは、そういったわずかな引っ掛かりが減っています。

 これは利用するアプリによるかもしれません。個人的に必須アプリであるPDFリーダー「Xodo PDF リーダー&エディター」と、ファイル同期アプリ「FolderSync」では、その違いを感じられました。これだけでも買い換えて良かったと感じます。

持ち運び読書体験として、ほぼ完璧

 6〜10型クラスの電子ペーパーや「Galaxy Z Fold」シリーズのようなフォルダブルスマートフォンなども含め、私は読書用途でさまざまなサイズの端末を試してきました。

photo 筆者が最初に手にしたのは2011年発売の電子書籍リーダー「PRS-T2」(ソニー)です。その次は、後継機の「PRS-T3」を利用。もちろん「Kindle」や「Kobo」端末についてもいくつかのモデルを手にしてきました。スタイラスペンが実用的に使える時代になると、まず手にしたのがデジタルペーパー「DPT-RP1」(ソニー)です。A4大の13.3型という大きな端末で、これで手書きメモをよく取っていました。「DPT-CP1」というA5大の10型モデルが発売した時も手にしました。少し変わったところだと「reMarkable」という日本未発売の10.3型端末を手にしたこともあります。ラズベリーパイというシングルボードコンピュータで遊んでいた時も、ラズパイに対応した電子ペーパーを接続し、温度などを表示するボードとして使っていたこともあります(写真はDPT-CP1)

 現時点で私の結論としては、BOOX Pageのような7型の端末が移動時に使う用途では最適だと感じます。電車で立ちながら読むことが多いことを考えると、10型はサイズ、重さ共に厳しい。逆に6型以下だと「それってスマホでいいのでは……?」となってしまいます。

 よってBOOX Pageは取り回しに優れていると感じます。画面保護フィルムを貼った状態の測定で、実測197gでした。BOOX Leaf2は約170gだったので重くなっていますが、メインスマホとして使っている「iPhone 14 Pro Max」(240g+ケース等の重さ)と比べれば、かなり負担は少ないです。

 BOOX Pageのボディーサイズは、約156(幅)×137(奥行き)×6(高さ)mmです。裏面はプラスチック素材で滑りにくいため、長時間手に持っていても苦になりません。

photo 昨今のハイエンドスマホより軽い実測197g(画面保護フィルム含む)
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