BOOX Pageの大きな魅力がページめくりボタンの存在です。片手で持っていても快適に読み進められます。
ボタンは幅があり操作感も良好です。左右で持つ手を入れ替えると上下が逆さまになりますが、本体の加速度センサーによって画面表示とボタンの機能も入れ替わります。下のボタンを進むボタンとしていたら、右手でも左手でも、下のボタンは進むボタンのままです。こうした細かな点もバッチリです。
そして、microSDメモリーカード対応であることも見逃せません。必要なストレージ容量は人によると思いますが、書籍の“自炊”をし続けている私にとって、内蔵32GBでは足りません。OSやアプリの取り分もあります。さらにファームウェアアップデートをする際にもデータをダウンロード、展開する空き容量も必要です。
※自炊:自分で本をスキャンして電子書籍化すること
実質、使える領域は20GBくらいでしょうか。ちなみに私の自炊ライブラリを全て入れようとすると約500GBまでになります。これらを全て端末内に入れて持ち運ぶのは夢だと思っていましたが、今やそれが実現できるようになりました。全てを持ち運べることで、その時の気分で読みたい本がチョイスできる。これは最高ですね。
バッテリーに関してストレスに感じるシーンはないでしょう。電子ペーパー端末はそもそも省電力なので、バッテリーの持ちが非常に良いです。BOOX PageはAndroid OSを採用しているので、Kindleのような端末と比べるとどうしてもバッテリー消費は大きくなります。しかし、実用書1冊を2〜3時間で読書した程度だと、5%くらいのバッテリー消費量といった感覚です。
フロントライトの使用、Wi-FiやBluetoothの使用状況でも変動しますが、1日に2時間程度の利用であれば、1週間は優に持つでしょう。個人的にはバッテリー容量を減らして、もう少し軽量化して欲しかったくらいです。
このように適した本体サイズで軽量、片手で使える、大容量の拡張できるという点から、持ち運び読書体験としては完璧といえるでしょう。
専用のマグネットカバーも用意されています。BOOX Page本体の裏面に近づけるとさっと吸着します。非常にスマートで質感も良いです。カバー開閉と合わせた本体スリープオン/オフにも対応しています。
ただし、カバー自体の重さは約105gあります。本体と合わせると約300gとなるため、せっかくの軽さがスポイルされてしまいます。前述の通り、そもそも単体で持ちやすいので、結局のところ私はケースは使っていません。
白黒の電子ペーパーという特性から、アプリの色使いによっては背景色との兼ね合いで文字が読めないといった事象に遭遇します。このあたりは電子ペーパーの表示設定を変えることで解決できることも多いのですが、いろいろな設定を試してみる必要があります。打つ手がないよりはいいですが、正直、面倒です。
面倒な作業ではありますが、BOOX Pageはこうしたカスタマイズにも優れています。アプリごとに固有の設定を保存できるので、違うアプリを使う度に設定を変えなくてはいけない……といった事態は避けられます。
特有のクセは画面表示だけではありません。私がハマったのは、Kindleアプリで物理ボタンにページめくり機能を割り当てる作業です。BOOX Page本体に「サイドボタン設定」という機能があり、こちらもアプリ毎に挙動を設定できます。挙動の設定は「ページボタン」「ボリュームボタン」「スクロールボタン」の三択ですが、この三択だと「ページボタン」を選択しますよね。しかし「ボリュームボタン」が正解なのです。
Kindleアプリ自体に、端末のボリュームボタンにページめくり機能を割り当てる汎用(はんよう)的な機能があります。この機能を利用するため、BOOX Pageにあるサイドボタンの役割をボリュームボタンとしておく必要があるのです。
こうしたハマりごとへの対策は、国内の販売代理店であるSKTのサポートページに記載されているので安心だとは思います。
なかなか技術面や運用面で難しいものがあるとは思いますが、それぞれの最適化設定(例)をソフトウェア的に配布してほしいです。私は頻繁に端末を買い換えるということもあり、同じ設定を何度も行うのは結構苦痛であります……。
この点が一番ネックとなる方が多い気がします。BOOX Pageは防水仕様ではありません。同じようなサイズ、使用感の「Kindle Oasis」は防水対応であり、お風呂やプールサイドでの利用をウリにしております。BOOX Pageも追従してほしい仕様です。ちなみに私はド近眼ということもあり、お風呂で読もうにも文字が見えず……防水のニーズはありません。
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