カタログの誌面だけでは語りきれない、頑丈設計の深い部分について説明させていただきたい――パナソニック コネクトは8月3日、タフネスPC/タブレット「TOUGHBOOK(タフブック)」の概況と同製品ならではのこだわりを解説する勉強会を開催した。
TOUGHBOOKといえば、「直射日光が当たるとか、雨が降る屋外とか、 粉じんとかが舞っているような製造工程など、過酷な現場での長期使用に耐える頑丈さを備えた、安心して業務に集中するプロフェッショナルのための仕事道具」(マーケティング部グローバルマーケティング課 山川彩氏)として、長年にわたってフィールドワークやファクトリーワークを始めとする「現場ワーカー」から支持されている。その実績は、頑丈ノートPCのシェアにおいて21年連続でグローバルNo.1であることが証明している(※1)。
せっかくの機会なので、TOUGHBOOKの現状を把握した上で、どうしても聞きたかったことを質問してみることにしよう。
(※1)VDC Quarterly Trackerの「Rugged Clamshell Notebook & 2-in-1 Detachable」
山川氏は、「耐衝撃性能」「耐振動性能」「防じん/防水/防滴性能」といったTOUGHBOOKの“丈夫さ”を示す客観的指標として、従来から訴求している米国防総省の「MIL-STD-810G/H(MIL規格)」に定める試験に加えて、自社の独自基準に基づく試験を取り上げた。
例えば落下試験については、本体を120cm以上の高さから26方向(面/辺/角)で合板に落とすMIL規格準拠の試験の他、メーカー独自に本体を210cm(FZ-N1)または90cm(他機種)の高さから6面でコンクリート床に落とす試験も行っている。防じん試験はIP6X等級、防水/防滴試験についてはIPX5(防滴を想定した通常機種)、IPX6(耐水を想定したFZ-40)、IPX8(水中使用を想定したFZ-N1)のいずれかの等級に準拠する試験を実施しているという。
防じん/防水/防滴試験はともかく、耐衝撃性能や耐振動性能については、他のメーカーもモバイルモデルを中心に確保するようになってきた。しかしTOUGHBOOKは、その“年季”が違う。客観的には評価できない、主観的な改善も行われている。
その典型例が「ボディーカラー」だ。初期のTOUGHBOOKのボディーはブラック基調だった。しかし、高熱地帯(具体的には米アリゾナの砂漠地帯だったという)において熱を吸収して本体内部が熱くなってしまう事象が相次いだため、現在に至るシルバー基調に改めたのだという。
数値として訴求できない、地道なところでも「現場の生の声が磨いた性能」(山川氏)を実現している。
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