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意外なところが“大進化” パナソニックの新型タフネスタブレットをじっくり試す(1/4 ページ)

» 2021年10月01日 15時00分 公開
[長浜和也ITmedia]

 パナソニックの「TOUGHBOOK FZ-G2」は、同社のタフネス端末ブランド「TOUGHBOOKシリーズ」から登場した最新の10.1型Windowsタブレットだ。先代の「TOUGHBOOK FZ-G1」と比べると、「モジュラー構造」による拡張性の向上、準拠する耐環境基準のアップデート(MIL-STD-810G→MIL-STD-810H)、高輝度液晶パネルの採用、キーボードベース(別売)へのRGBバックライトの採用など、多岐に渡るアップデートが施されている。想定販売価格は25万2000円(税込み)からとなる。

 アップデートの内容をよくよく見ると「あれ? TOUGHBOOKってゲーミングPCじゃないよね? 何でキーボードベースにRGBライトを積んだの?」と疑問に思う人もいるだろう。しかし、“過酷な現場”を知る人からすると「さすが! 現場をよく知っているからこそできる機能改善だ」と思うはずである。

 「現場を知っているからこそできる機能改善」とはどういうことなのだろうか。この記事では、“過酷な現場だからこそ意味がある”FZ-G2の実力を検証していく。

FZ-G2 10.1型Windowsタブレットの新モデルとして登場した「TOUGHBOOK FZ-G2」は、拡張性と野外での使い勝手を強化したことが特徴だ

業務マシンだから重視したい「防じん/防滴」と「高い拡張性」

 その登場当初から、TOUGHBOOKシリーズは「丈夫さ」と「防じん/防水(防滴)性能」を最も重要な“仕様”と訴求してきた。一方で、TOUGHBOOKシリーズは業務用PCとして求められる拡張性も重視しており、本体に多様な拡張ポート(インタフェース)を標準で備える他、購入時にオプションコンフィグサービス(BTOオプション)を行使することで、追加の拡張ポートやバーコードリーダーなどを搭載することもできる。

 しかし、「丈夫さ」「防水/防じん性能」と「拡張性」の両立は案外難しい。例えば標準の拡張ポートは、普段は頑丈なふたで覆われている。当然ながら、このふたを外した状態で使うと、丈夫さと防水/防じん性能は大きく低下する。また、オプションコンフィグサービスは購入時オプションであるため、「後からバーコードリーダーを追加で内蔵したい」と思っても、それはできないことになっている。

 今回登場するFZ-G2では、標準ポートにあるふたは撤廃できなかったものの(丈夫さや防じん/防水性能を維持する観点では正しい)、追加の拡張ポートやバーコードリーダー類を後から交換/追加できる設計に改められた。具体的には、本体背面に2つの「拡張エリア」が設けられ、以下の「アタッチメントオプション」を後から装着できるようになった。

  • 拡張エリア1に装着できるアタッチメントオプション
    • バーコードリーダー
    • USB 2.0 Type-Aポート
    • LANコネクター
    • シリアルコネクター
    • サーマルカメラ
  • 拡張エリア2に装着できるアタッチメントオプション
    • 非接触ICカードリーダー
    • スマートカードリーダー

 用途に合わせてアタッチメントオプションを取り換えて使えば、用途が変わっても同じ本体を使い回わせる。アタッチメントオプションが故障した場合、交換も自分で行えるのでダウンタイムも減らせる。利便性はとても良くなった。

 「防水/防じん性能を保てるの?」と不安になる人もいるかもしれないが、FZ-G2では、拡張エリアをラバーパッキンでしっかりと保護している。パナソニックが指定するトルク(※1)でネジ止めすれば、しっかりと防じん/防水性能を維持できるので安心してほしい。

 なお、FZ-G2はバッテリーも着脱できるようになっている。JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver.2.0)に基づく連続駆動時間は、付属バッテリー装着時が最長約18.5時間、別売の大容量バッテリー装着時が約26時間となる。キーボードベースを装着した場合は、駆動時間が約1時間ほど短くなる。

(※1)0.45 Nm(±0.05Nm)または4.5kgf/cm(±0.5kgf/cm)

拡張エリア 拡張エリアは本体背面にある。標準状態ではダミーカバーが取り付けられている
本体上部 本体上部。赤い枠で囲った部分には、拡張エリア1にアタッチメントオプションを装着した際にポート類などが配置される。バッテリーも着脱可能な構造となっている
取り付けた図 拡張エリア1にバーコードリーダーを取り付けた図

 本体のポート類は、左側面にUSB 3.1 Type-C端子、USB 3.0 Type-A端子、有線LAN(1000BASE-T対応)を1基ずつ、右側面に電源入力端子を備える。USB 3.1 Type-C端子は、USB Power Delivery(USB PD)による電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応している。

 ポート類はパッキンが施されたカバーで、電源入力端子はスライド式のカバーで保護されている。防水/防じん性能をしっかり確保するには、これらをしっかりと閉じて使おう。

 底面には別売のキーボードベースやクレードルを装着する際に利用する拡張バスコネクターが設けられているが、ここはカバー類で保護されていない。ただし、このことは耐衝撃性能や防水/防じん性能には支障しないので安心してほしい。

左側面 左側面
ポート類 本体のポート類にアクセスするにはカバーを開ける必要がある。USB 3.1 Type-C端子はUSB PDによる電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応している
右側面 右側面
電源端子 電源端子にはスライド式のカバーがある。これをしっかり閉じないと、キーボードベースを装着できないので注意しよう
底面 底面には拡張バスコネクターと、キーボードベースの位置合わせガイドの差し込み口がある
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