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» 2020年09月09日 12時00分 公開

パナソニックの新型タブレット「TOUGHBOOK FZ-A3A」を通してタフネスさについて考えた変わったのはプロセッサだけではない(1/3 ページ)

パナソニックが、10.1形タフネスAndroidタブレットをモデルチェンジした。プロセッサをIntel製からQualcomm製に切り替えただけではなく、いろいろな点が変わっているので、早速レビューしてみた。

[長浜和也, 撮影:矢野渉,ITmedia]

 パナソニックの「TOUGHBOOK FZ-A3A」は、同社のタフネス端末ブランド「TOUGHBOOKシリーズ」から登場した最新の10.1型Androidタブレットだ。

 FZ-A3Aには幾つかのモデルがあるが、一番コンパクトかつ最軽量な「標準バッテリー搭載Wi-Fiモデル」でも、本体サイズは約272(幅)×196(奥行き)×16.4(厚さ)mmで、重量は約892gとなる。同じ画面サイズのAndroidタブレットと比較すると大きくて重いことは間違いない。

 しかし、TOUGHBOOKにとって、サイズや重さは重要なことではない。そのブランド名が示すように、たとえAndroidタブレットであろうとも、丈夫であることに存在意義があるからだ。その“丈夫さ”の意義を中心に、FZ-A3Aの実像に迫っていこう。

FZ-A3A TOUGHBOOKなのに900gを切った(!)FZ-A3A

MIL規格より厳しい耐衝撃/耐環境試験を通過

 端末などの丈夫さを示す指標の1つに、米国防省が定める「MIL-STD-810シリーズ」という規格がある。この規格は物品の環境耐性試験を定義したもので、試験に合格することで初めて米軍の物資として調達対象として認められる。

 スマートフォンやタブレットが丈夫さをアピールする際に使われるのは「MIL-STD-810G」という規格だが、2019年2月に「MIL-STD-810H」というより厳しい新規格に移行している。パナソニックによると、FZ-A3AはMIL-STD-810Hに準拠した試験に加えて「ユーザーの過酷な使用実績に合わせた、MIL試験より厳しい」独自基準の試験も実施しているという。

 実施している耐久性試験の内容は製品情報にも記載されている。耐落下試験では、MIL-STD-810Hに準拠した「1.2m落下(合板、26方向)」に加えて、独自に「1.5m落下(コンクリート、6方向)」も実施している。MIL-STD-810Hに定める「耐振動試験」にも合格している。

 コンクリートへの落下試験は、先代の「TOUGHBOOK FZ-A2」と比べて30cm高い所から実施している。その分、耐落下性能は向上しているということだ。

落下試験 独自のコンクリートへの落下試験は150cmの高さから実施している
耐振動試験 MIL-STD-810Hに定める耐振動試験にも合格している

 工場やプラント、建設や土木工事現場では欠かせない防塵(じん)防滴性能については、IEC(国際電気標準会議)に定める「IP等級」で示される。FZ-A3AのIP等級は「IP65」で、簡単にいうと完全な防塵構造で、噴流の影響を受けない設計だ。

 もう少し詳しく説明すると、防塵性能(IP6X等級)は「1立方メートル当たり2kgの粉じん(直径0.075mm)が循環している空間に8時間放置しても粉じんが入り込まない」というものである。防滴性能(IPX5)は「直径12.5mmのノズルを使い、1分当たり12.5Lの噴流を30kPaの圧力で2.5〜3m離れた場所から当てても、少なくとも3分間は機能を保持できる」というものだ。

防塵 IP6X等級の防塵性能と……
耐水 IPX5等級の防水性能を確保している

 耐衝撃性能や防塵性能、耐水性能は試験内容が“映える”上、動画に収めると音のインパクトも強い。そのこともあり「タフネスさ、大切だよね!」といった感じで重要性も認識しやすい。

 しかし、特に屋外で使う場合は「耐熱性能」と「耐寒性能」も非常に重要だったりする。わずか10数分だけ屋外作業をしただけで金属部分が持てなくなるほどに熱くなる炎天下でも、手がかじかむような真冬の氷点下の環境でも、安定して動作することが屋外ワークやアウトドア利用では重要なのだ。

 FZ-A3Aでは、「IEC60068(基本的環境試験規格)」に定められた低温/高温動作試験を実施している。低温試験ではマイナス20度の環境に、高温試験では50度の環境に2時間放置した後に、正常な動作を確認したという。

 筆者は8月中旬から下旬にかけてFZ-A3Aのレビューを行った。炎天下では金属部分が触れなくなるほど熱くなることはあったものの、ある晴天の日に14時から15時まで行ったテストではアプリは問題なく稼働し、タッチを含む基本動作にも問題は発生しなかった。

 さすがに低温環境でのテストまでは行えなかったが、公称ベースではFZ-A3AはFZ-A2よりも10度低い環境でも稼働するようになっている。さらに過酷な環境でも動くようになったわけだ。

マイナス20度 マイナス20度の環境で放置した後でも動作する上……
50度 50度の環境で放置しても動作する
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