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意外なところが“大進化” パナソニックの新型タフネスタブレットをじっくり試す(2/4 ページ)

» 2021年10月01日 15時00分 公開
[長浜和也ITmedia]

「据え置き」だらけに見えて、パフォーマンスは確実に向上

 順番が前後するが、FZ-G2のPCとしての基本スペックを確認していこう。

 CPUはIntelの第10世代Core i5-10310U(1.7GHz〜4.4GHz、4コア8スレッド、vPro対応)を搭載している。最新世代ではないが、先代のFZ-G1と比べると3世代先のCPUであり、コアとスレッドの数が2倍に増えた(2コア4スレッド→4コア8スレッド)。冷却用のファンも備えているが、IP65等級の防じん/防滴性能を確保している。

 メインメモリの容量は8GBと先代の上位モデルから据え置きだが、LPDDR3規格からLPDDR4X規格に変更されたこでアクセススピードが向上している。

 SSDも、容量だけ見ると先代の上位モデルと同じ256GBだが、Serial ATA接続からPCI Express接続に変更された。レビューした個体には、Micron製の「MTFDHBK256TDP」が搭載されていた。

 演算処理やデータの読み書きのパフォーマンスは先代から確実に向上しているのだが、2021年7月に発表されたタブレットとしては、少し枯れた部材を用いているようにも見える。

 しかし、ミッションクリティカルな用途で使われることが多いTOUGHBOOKシリーズにおいて、一番重視すべきは“耐久性”や“信頼性”である。スペックの新しさとのバランスを考慮した結果、このような構成になったのだろう。

CPUファン回り Core i5-10310Uを搭載していることから、CPUなどを冷却するファンはしっかりと付いている。ファンが付いていてもIP65等級の防じん/防滴性能を確保しているのは、地味ではあるがすごいことである

 FZ-G2は、現時点において2モデル用意されている。違いはワイヤレスWAN(モバイル通信)に対応しているか否かのみである。ワイヤレスWANモデルの本体内部には、nanoSIMカードスロットが備わっている。このスロットにアクセスするには、バッテリーパックを取り外した上で、ねじで固定されたスロットカバーを外す必要がある。

 ちなみに、ワイヤレスWANモデルのワイヤレスWANモジュールは、Sierra Wireless製の「AirPrime EM7430」となる。国内ではNTTドコモ、au、ソフトバンクの3社の回線に対応しており、プライベートLTE(※2)での運用も想定しているという。最大通信速度(理論値)は下り300Mbps、上り50Mbpsとなる。

(※2)特定の施設内など、閉域で運用されるLTEネットワーク

 2モデル共に、無線LANは最新のWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応している。5GHz帯で帯域幅を160MHz確保できる場合の最高通信速度(理論値)は2.4Gbpsとなる。Bluetooth 5.1も利用可能だ。

nanoSIMスロット ワイヤレスWANモデルでは、バッテリーパックを外した先にnanoSIMカードスロットがある。スロットはねじ止めされたカバーで保護されており、脱着時にねじを使う必要がある(写真はカバーを外した状態)

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